2018年６月５日の練習が終わったあと、長友、本田、槙野が談笑していたが、その話の中身が実に面白かった。
 
　長友の証言を基にすれば「（本田）圭佑が名前を覚えられないみたいな話をしていた」という。そこで槙野がこう質問した。「この中に智章って名前の人がいるんだけど誰だ』と。「智章」というのは当然ながら、槙野のことである。
 
　しかし、驚いたことに、本田は即答できない。この時の様子を、長友は次のように語ってくれた。
 

「圭佑が全然知らなくて、『誰？』という話になって。それで圭佑も考えていたんですけど、なかなか名前が出てこなくて、一人ひとり潰していったら最後に槙野が残った（笑）。槙野は『結構仲いいと思っていたんだけど』って、だいぶショックを受けて、凹んでいましたね。『知らないんだ』って。それでちょっと盛り上がってました」
 
　槙野と本田と言えばプライベートでも親交のあるふたりで、代表合宿でも絶妙な絡みをしている。なのに、本田は槙野の下の名前を知らない……。嘘のような本当の話である。
 
取材・文：白鳥和洋（サッカーダイジェスト編集部）

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