日本に朗報!? 韓国戦で「差別的ジェスチャー」をしたコロンビア代表MFがまさかの代表落選

2018年06月05日 ワールドサッカーダイジェスト編集部

予選ではチーム2位タイの3ゴール。 

強烈なシュートが持ち味で名門ボカの主力を担うカルドナ。その不在が日本にとってプラス材料となるか。(C)Getty Images

 6月4日、コロンビア・サッカー連盟が、ロシア・ワールドカップに出場する代表メンバー23人を発表した。


 日本代表が6月18日にグループステージ初戦を戦う相手とあって、注目を集めた選考のなかで、もっとも意外だったのは、MFエドウィン・カルドナの落選だろう。

 南米予選では18試合中15試合に出場(うち先発が8試合)したカルドナは、同予選終盤に4-2-3-1の左サイドアタッカーとしてレギュラーに定着。ハメス・ロドリゲスに次ぐチーム2位タイの3ゴールを奪っている。チャンスメークとフィニッシュの両方で貢献でき、「23人枠」入りは確実かと思われていた。少なくとも、予選が終了した時点では。

 だが、自らその立場を悪くしてしまう事態を招いてしまう。昨年11月に行なわれた韓国との親善試合で、両チームの選手が揉み合いになった際、カルドナは相手の主将キ・ソンヨンに対して、両手で目を吊り上げるジェスチャーをしたのだ。

 この東洋人の容姿を揶揄する人種差別的行為は、当然ながら大問題となった。カルドナのSNSは大量の中傷メッセージが書き込まれるなど大炎上。「差別するつもりなんてなかった。でも結果的に攻撃されたと感じたなら謝りたい。誤解を与えるようなことをしてしまい、本当に申し訳なかった」と、代表チームの公式ツイッター上で謝罪をする事態となった。
 
 そして、FIFAから5試合の出場停止という重い処分を科されてしまう。これはフレンドリーマッチのみが対象で、ワールドカップには問題なく出場できるとはいえ、本大会に向けた重要なテストの場を全休することを意味し、カルドナにとって痛恨だった。
 

 そのうえ、カルドナが不在の間のテストマッチで、ライバルたちが結果を残す。

 0-2から3点を奪って大逆転勝ちを飾った3月のフランス戦では、本来はCFながら左サイドアタッカーで先発に抜擢されたルイス・ムリエルが1得点。クロスボールが直接ゴールに入る幸運な形だったとはいえ、アピールに成功。
 
 そのムリエルに代わって77分から左サイドに入ったホセ・イスキエルドも、得意のドリブル突破からPKを獲得。そのPKを決めて勝ち越し点を奪ったファン・フェルナンド・キンテーロも、いわばカルドナの代役として招集され、3年ぶりにキャップを刻んだ選手だった。
 
 このフランス戦では、後半から採用した4-3-3が思った以上に機能し、逆転勝利を呼び込んだ。ホセ・ペケルマン監督は6月1日のエジプト戦でも、このシステムをテスト。オプションのひとつとして考えているのは間違いない。
 
 そして、左ウイングにハメス、右ウイングにファン・ギジェルモ・クアドラードが入るこの形ならば、そもそもカルドナの置き所がない。この25歳のMFがいなくても戦える準備を整えたうえで、名将ペケルマンはテストマッチに出場できないカルドナをメンバーから外す決断をしたのだった。
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