【橋本英郎】プロサッカー選手とチャリティー。世界中で広がる“輪”に目を向けてほしい

2018年06月05日 橋本英郎

知られていないところでさまざまな活動が

橋本自身も慈善団体への寄付やチャリティーイベントの開催など、オフの時間を利用して積極的な活動を続けている。写真提供:橋本英郎

 ロシア・ワールドカップの開幕が近づき、いよいよ日本国内でも盛り上がりを見せていますね。そんななか、今回は少し違った切り口のコラムを書いてみようと思います。
 
 サッカー選手の人物像やプレーについてはさまざまな記事を目にしますが、なかなかスポットライトが当たらない活動に目を向けます。国内外の選手たちが取り組んでいる慈善活動についてです。
 
 みなさんは『Common Goal(コモン・ゴール)』というフレーズを聞いたことがあるでしょうか。マンチェスター・ユナイテッドのファン・マヌエル・マタ選手が手掛けているチャリティー活動で、ボルシア・ドルトムントの香川真司選手も賛同しています。自身の収益の1パーセントをチャリティーとして寄付する活動になります。
 
 スポーツを通して世界中の選手たちが協力し合い、チャリティー活動によって社会貢献を果たしていく。こうした活動は盛んに行なわれていて、現在はマタ選手のほかにも、マッツ・フンメルス選手(バイエルン・ミュンヘン)、ジョルジョ・キエッリーニ選手(ユベントス)といった第一線で活躍する選手に加え、アメリカ女子代表のミーガン・ラピノー選手、アレックス・モーガン選手ら女子選手も参加し、選手の輪は徐々に広がりつつあります。
 
 コモン・ゴールを運営するストリート・フットボール・ワールドは、ベルリンに拠点を置く非政府組織。メンバーから受け取った寄付金は彼らを媒介し、サッカーを通じて社会問題に取り組んでいる世界各地の慈善団体に分配されているようです。
 
 日本国内の外国籍選手も精力的です。例えば、鹿島アントラーズのペドロ・ジュニオール選手。僕にとってはガンバ大阪、ヴィッセル神戸時代のチームメイトで、その際にも取り組みについて話を聞いていました。ブラジルの貧しい地域の方々に毎年、食料などの物資を届けています。
 
 東京ヴェルディのカルロス・マルティネス選手は、3つの活動に対して毎月寄付を行なっています。国境なき医師団、セーブ・ザ・チルドレン、動物愛護団体といった多様な分野だけでなく、スペインでは支援を必要としている団体や個人が載せられる情報サイトがあり、彼の中で賛同、支援したいと思うものがあればそちらを通して、寄付をしているようです。

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