【総体】福田”弟”が躍動!東福岡を7年連続となる全国出場に導いた男は"兄越え"を狙う!

2018年06月04日 平野貴也

福田は16分にチームに貴重な先制ゴールをもたらした

兄と同じくドリブルが武器の福田。本大会ではさらなる輝きを放てるか。写真:筒井剛史

 兄の次は、弟の番だ。

 インターハイの福岡県大会は3日にレベルファイブスタジアムで決勝戦を行ない、東福岡が3-1で筑陽学園を下して7年連続の全国大会出場を決めた。

 大事な先制点を奪ったのは、2列目中央で起用された福田翔生(3年)だった。立ち上がりに相手が仕掛けて来た猛攻をしのいで迎えた前半16分、右サイドを押し込んだ場面でスッとバイタルエリアに現られて横パスを受けると、右足のインサイドでシュート。左に跳んだ相手GKの手は届かず、ゴール右隅に決まった。

 絶対に欲しい先制点だった。県の高体連勢で唯一、世代最高峰のプレミアリーグに所属する東福岡は優勝候補。しかし、追われる立場の戦いは容易でない。準々決勝の高稜戦、準決勝の東海大福岡戦と先制点を奪われて苦戦を強いられた。だからこそ、先制点には攻守両面でこだわりを持って戦った。

 GK松田亮(3年)は「先制されたら苦しくなる。立ち上がりは、とにかく集中してプレーした」と明かし、福田も「この大会は、ずっと先制点をやられていた。まずは、先制点を大事にしようと思っていたし、決められて良かった。横から良いボールが来たので、コースを狙うだけでした」と1点目の重みを強調した。

 リードを得た東福岡は、試合を優位に展開。試合終盤、2点目を奪った後に点を返される場面はあったが、すぐさま3点目を奪って突き放して勝利を収めた。

 次の舞台は、全国大会。先制点を決めた福田にとっては、兄の背中を追う戦いでもある。1学年上の兄・湧矢は、昨季の主将。今季はG大阪でプロ選手となり、卒業前の3月にJ1開幕戦で先発出場を果たし、G大阪U-23で出場したJ3では豪快なミドルで得点を挙げるなど、さらなる飛躍を見せている。

 小倉南FCから東福岡高へ。兄弟は、ジュニア時代からずっと同じチームでプレーしてきた。コンタクトプレーで倒れてファウルを誘おうとすると「立て!」と兄の厳しい言葉が飛ぶのだという。弟の翔生は「ずっと目指している。私生活もサッカーも、ずっと背中で見せてくれている」と兄を表現した。

 何しろ、ずっと兄を見てサッカーをしてきた。得意なプレーも兄と同じドリブルだ。仕掛ける力を持ち、中央でパスワークにも絡めるシャドーストライカーは「兄に負けないように頑張ろうと思える。今は、兄ちゃんが怪我をしてしまっているので、その間に自分が活躍すれば、兄ちゃんも『オレもやってやろう』となると思うので、頑張りたい」と兄に刺激を返そうとしている。

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