【日本代表】3-4-2-1を成立させるための2大キーマンは?

2018年06月03日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

バロメーターのひとつはウイングバックのポジショニング

ウイングバック候補の原口は無尽蔵のスタジアムでサイドを制圧できるか。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 3-4-2-1システムを前提にあえて2大キーマンを挙げるなら、そのひとりは守備陣を統率するリベロの長谷部誠になる。
 
 ストッパーの吉田麻也と槙野智章、ボランチの山口蛍や大島僚太、柴崎岳などと連係を深められるか。コロンビアのラダメル・ファルカオやポーランドのロベルト・レバンドフスキとの1対1では劣勢を強いられる可能性が高いため、味方と意思の疎通を図りながら数的優位な状況を作れるかが鍵になるだろう。
 
 そもそも、3バックシステムは長谷部ありき。キャプテンにして精神的支柱でもある彼が例えば相手の1対1で抜かれてしまうと、チームに精神的動揺を与える可能性もある。長谷部が敵エースを抑えられるかどうかは、試合の勝敗にかなり影響するだろう。
 
 もうひとりのキーマンは右ウイングバックでスタメンを張るだろう原口元気。3-4-2-1システムが機能するかのバロメーターのひとつはウイングバックのポジショニングにあるので、左の長友とともに原口のパフォーマンスは肝になる。
 
 仮に両ウイングバックが劣勢を強いられると、チームの重心下がり実質5バックとなる。これでは守備一辺倒に陥る可能性もあるので、そうならないよう、比較的高い位置取りでのゲームコントロールが彼らには求められる。原口もそれは承知しているようで、こう述べていた。
 
「なるべく強気に高い位置を取りたい。前の選手とのポジションチェンジがハマれば、チャンスを作り出せる。もちろん守備はしっかりやりますけど、攻撃の部分で違いを出したいと思います」
 
 グループリーグを勝ち上がるには守ってばかりもいられない。当然ながらゴールも必要だが、その意味でも無尽蔵のスタミナを武器に激しく上下動を繰り返せる原口の存在はやはり貴重。馬力十分のドリブル突破で決定機を演出できるかは、今大会の見どころのひとつになるだろう。

取材・文:白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
 
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