【U-21代表】法政大の大器がポルトガルから2発の大活躍!有言実行で東京五輪の1トップ候補に名乗り

2018年06月01日 川端暁彦

途中出場で同点弾&逆転弾!限られた時間で代表生き残りへ猛アピール

自身の武器を生かして2ゴールを奪った上田。今大会でさらなる活躍を見せることができるか。写真:佐藤博之

【トゥーロン国際大会・グループステージ2節】U-21日本代表 3-2 U-19ポルトガル代表/5月31日/トゥーロン 

 U-21日本代表FW上田綺世(法政大)は、今どき珍しいくらいの"ピュア・ストライカー"である。真水ならぬ真ストライカーとでも言うべきか。開催中のトゥーロン国際大会で初めて一緒にプレーすることになったDF冨安健洋(シントトロイデン)も、上田についての印象を問われると、「上田は……ストライカーですね」というシンプルな回答を返してきた。それくらい分かりやすく、そのプレーはストライカーなのだ。
 
 コメントもまた、ストライカーらしい。
 
「自分のやることはどんな状況でも点を取ること」
「チームに数字をもたらすのがFWの仕事だと思っている」
「結果を出すことしか考えていなかった」
 
 大会の第2戦となったポルトガルとの一戦は、1-2とリードを奪われ、さらにGKも退場して一人少なくなっているという絶望的な状況だったが、途中出場で入ってきた上田が考えていたのはシンプルに「点を取ること」。すべてそこから逆算しての動き出しを繰り返した。相手のCBが疲れてきているのは分かっていたので、裏へ飛び出す駆け引きとスピードに秀でる上田にとっては持ち味を出しやすい状況でもあった。

 まずは「予備動作を一個入れて裏。あとは単純に足の速さの勝負」という形から後半37分に同点ゴールを奪うと、さらにアディショナルタイムに入った試合終了間際にも、再び相手DFを出し抜く動き出しから三笘薫(筑波大)のスルーパスを引き出し、PKを奪い取る。
 
 決めれば逆転ゴールだが、外せば決勝トーナメント進出はきわめて厳しくなるこの場面。だが、上田は「緊張というよりワクワクしていた」と笑って振り返る。ストライカーらしく豪快に蹴り込み、逆転勝利の立役者となった。

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