【橋本英郎】ガーナ戦で顕著だった攻撃の迫力&アイデア不足。興味深かったのは柴崎の…

2018年06月01日 橋本英郎

前半と後半では明らかに「色」が違っていた

ガーナの包囲網を崩しにかかる宇佐美。日本は最後の局面で連動性に欠け、敵DF陣の脅威となり得なかった。(C)SOCCER DIGEST

 みなさん、いつもこのコラムを読んでいただきありがとうございます。東京ヴェルディの橋本英郎です。
 
 水曜日のガーナ戦は残念な結果に終わってしまいましたね。翌日にはそんななか、ロシア・ワールドカップの最終メンバー23人が発表されて、連日大きなニュースとなりました。今回はそのガーナ戦を見て感じたことを書かせていただこうと思います。
 
 西野朗監督が率いる日本代表の初戦。基本的に前半と後半では明らかに「色」が違うなと感じました。
 
 メンバー発表前ということもあって、前半のメンバーより後半のメンバーのほうがどこかワールドカップへの選考のイメージが強く、連動、連携を意識するより自分のプレーをいかに出すかを意識しているように感じました。そのため今回は、前半と後半で分けて分析してみようと思います。

 
 まずは、前半。こちらのメンバーは、やはりワールドカップ本戦の試合を意識しているように感じました。攻守両面でコンパクトな陣形を保とうという意識がありました。
 
 でも、開始早々にフリーキックから失点してしまいます。あのファウルを与えた場面ですが、コンパクトな陣形を取りたい意識はあるものの前線でのハードなチェックが足りなかったため、ロングボールを入れられたのが要因です。予想以上にディフェンスラインが下がってしまい、槙野智章選手とガーナの選手の競り合う位置が低くなってしまいました。
 
 ラインコントロールの部分、また、前線から最終ラインにかけてのチーム全体の連携のところで共通意識が欠けていたシーンです。
 
 そのあと、少し日本に落ち着きがなくなったように感じました。間延びした形でプレーを続けてしまい、相手が望むサッカーに付き合ってしまったように思います。スペースを最大限に活用するダイナミックなサッカーですね。
 
 前半の終盤にかけては落ち着きを取り戻したようで、コンパクトさは見せていましたが、ガーナにしても低くコンパクトな守備対応を心掛けていたので、なかなか崩すのは難しいように感じました。

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