電撃辞任したジダンの後釜は「マドリーを率いるのが夢」を公言してきたプレミアの名将か

2018年06月01日 山本美智子

指揮官交代はC・ロナウドの去就に影響する可能性も。

5月24日にトッテナムとの契約を2023年まで延長したばかりのポチェティーノだが、現地紙によるとその契約書には、「万が一マドリーからオファーがあった場合には」との条項が。(C)Getty Images

 監督就任期間の3年でチャンピオンズ・リーグ3連覇。この大偉業をレアル・マドリーで成し遂げた5日後、ジネディーヌ・ジダンが緊急記者会見を開き、来シーズン、監督として続投しないことを発表した。

 そのジダンの隣で、フロレンティーノ・ペレス会長は見るからにショックを受けている様子を隠そうとせず、最後まで厳しい表情を崩さなかった。スペインのメディアによれば、ペレス会長がこのジダンの決意を聞いたのは、会見前日だったという。

 選手時代から、目に入れても痛くないほどかわいがり、特別な思い入れのあったジダンのこの決定を受けて、ペレス会長は「今日は悲しい日だ。私は引き留めようとした。だが説得できなかった」と肩を落とした。

 ジダンは、クリスチアーノ・ロナウドの将来が不透明であることと監督を辞する決断を下したことは無関係だと主張していたものの、指揮官の突然の辞任が今後、C・ロナウドの退団の引き金になるとの見方は強い。
 
 当然のことながらスペイン・メディアの興味は、すでに後任探しに移っている。

 ヨアヒム・レーブ(ドイツ代表)、マウリシオ・ポチェティーノ(トッテナム)、ユルゲン・クロップ(リバプール)、アーセン・ヴェンゲル(前アーセナル)、そして現在、マドリーのフベニール(17~20歳のカテゴリー)を率いているグティらの名前が挙がっており、この候補者の顔ぶれについては、だいたいどのメディアも共通している。

 なかでももっとも有力だと見られているのがポチェティーノ。現在トッテナムを率いるこのアルゼンチン人の名将が、かねてからマドリーを率いることを夢としているのは、周知の事実だ。

 ポチェティーノは5月24日にトッテナムと2023年までの長期契約を交わしたばかりだが、この契約書には「万が一マドリーからオファーがあった場合は、その限りではない」という条項が含まれている旨を、現地の『SPORT』紙、『Marca』紙などが伝えている。

 その『Marca』紙は、ペレス会長が、ジダンが辞めた場合の後継者として、すでにポチェティーノに白羽の矢を立てていたと伝えており、それが事実であれば、契約延長の際に特別な条項を入れていたことも想像に難くない。

 来シーズンにマドリーを率いるのは、いったいだれなのか。新生マドリーにC・ロナウドの姿はあるのか。欧州の頂点に立ったばかりの名門がいま、大きく揺れている。

文●山本美智子(フリーランス)
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