金田喜稔がガーナ戦を斬る!「方向性はほぼ見えた…守るしかないよ」

2018年05月31日 サッカーダイジェスト編集部

「チャンスで得点を決めないと、相手にゴールを奪われるのがサッカー」

前半のチャンスを逃した大迫。ストライカーとしてゴールが欲しかった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[キリンチャレンジカップ2018]日本 0-2 ガーナ/5月30日/日産スタジアム
 
 結果は不満だし、苦しいな。
 
 そもそも、選手たちには休養が必要だったのかもしれない。国内組は過密日程を戦い、欧州組もシーズンが終わったばかりだ。その状態でワールドカップメンバー入りのサバイバルに放り込まれたのだから、当然メンタル的にもフィジカル的にも相当に堪える。個人的には、19日の時点で23人を決めて、ガーナ戦までの1週間を休養の延長にしても良かったと思っていたくらいだ。もちろん、最低限のチーム作りは進めながらの話だけどね。
 
 ただ、振り返っても仕方がない。ホームでやるんだから、ガーナに勝ってロシアに乗り込まなければならなかった。今日の試合は単純だよ。チャンスが多いなかで得点を決めきれず、逆に相手にゴールを奪われた。サッカーではよくある展開だ。
 前半の立ち上がり、左サイドの長友から精度の高いクロスが送られ、大迫がトラップしてシュートを放った。細かいことを言うと、あのコントロールではゴールを奪えない。相手から離れてパスを受けようとして、強い意志を持ってトラップを得意な足に置かず、敵が視界に入ったから左足を振った。ああいう止め方を見ると、ストライカーとしての覚悟が足りないと感じてしまうね。もっと、ゴール前で自信を持ったプレーをしないと、ゴールなんて奪えないよ。
 
 ほかにも大迫に何度かチャンスがあったけど得点を決められず、その後に槙野のファールでFKを与えて9分に失点した。後半から香川がピッチに出てきて、立て続けに決定機が2本あったよね。それも同じで、チャンスを活かせないから、今度はPKを献上して51分にゴールを許した。
 
 日本には少ないチャンスでゴールを奪える技術があるFWがいないんだ。コロンビアのファルカオ、ポーランドのレバンドフスキ、セネガルのマネは格が違う。それでもワールドカップで勝ちたいなら、日本は相手より多くのチャンスを作るしかない。
 
 そのうえで、3-4-2-1にシステムを変えて、日本らしく選手たちが近い距離で上手くパスを回していたのは良かった。そこから何度か決定機を作っていたのは、縦への意識が強いハリルホジッチ体制下では見られなかったことだ。ボール保持や敵の守備を突破するための形は作っていたのだから、泥臭く続けていくしかない。

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