【セルジオ越後の天国と地獄】第1戦は完全な負け試合。力の差を見せつけられた

2014年06月19日 週刊サッカーダイジェスト編集部

日本のサッカーを「しなかった」わけではなく、「できなかった」だけだ。

攻撃的なサッカーを標榜していたはずの日本。蓋を開けてみれば、守備に回らされる羽目に陥った。(C) SOCCER DIGEST

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※週刊サッカーダイジェスト7.1号(6月17日発売号)より
 
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 グループリーグ初戦のコートジボワール戦は、残念な結果に終わったね。本田の一発で先制したけど、後半にボニとジェルビーニョにゴールを許して1-2の逆転負け。この敗戦で、日本が置かれた状況はかなり厳しくなった。グループリーグ突破に黄信号が点ってしまったよ。
 
 試合を振り返ると、負けて然るべきと言える内容だった。フィジカルやスピードだけでなく、テクニックや展開力もコートジボワールのほうが上で、圧倒的な力の差を見せつけられた。先制こそしたけど、その後は本当になにもできなかったんだ。
 
 コートジボワールとの力の差は、スコア以上にあったよ。実際に何度もチャンスを作られていたし、4、5点取られてもおかしくない展開だった。コートジボワールの狙いは明確だったよね。本田以外に脅威になる選手がいないから、本田を潰しておけば終わりという感じ。それでしっかり後ろでポゼッションして、サイドを攻略してきた。
 
 主導権が握れずに守勢に回った日本は、右MFの岡崎が懸命にSBの内田を助けていたけど、左MFの香川は長友の負担を軽減できなかった。ボランチもこの左サイドをカバーできずに、同じような形で、クロスから2失点したからね。戦術的にも、個人能力でも、完全な力負けだ。
 
 攻撃的なサッカーをすると言ってチームを作ったはずなのに、蓋を開けてみれば日本は守ってカウンターに徹していた。なにも、日本は初めから守ってカウンターをしようとしていたわけではない。相手との力関係で、守勢に回らされただけだ。
 
 自慢のパスワークはミスばかりで機能しなかったし、前線からプレスをかけようとしても、コートジボワールに上手くかわされて、まるでハマらなかった。そうするうちに相手のパスワークに動かされてスタミナを消費し、後半はバテバテになった。逆転されてからは、反撃に出る足がまるで残っていなかったんだ。
 
 ザッケローニ監督は、選手のコンディションをキチッと見極められなかったのかもしれない。90分間持たない怪我明けの長谷部をスタメンで起用したからね。高温多湿で選手の消耗が激しいと分かっているのに、交代枠をあそこで使っていてはチームとして最後まで持たない。今大会のグループリーグ初戦はいろいろ見たけど、日本ほど足が止まったチームはなかったよ。これは、コンディショニングに失敗したと言われても仕方がない事態だ。

次ページ強いチームに負けるのは当たり前。自分たちの足下を見つめて、できることから。

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