クラブ史上最年少でトップデビュー!新潟U-18が誇る”越後のファンタジスタ”とは何者か

2018年05月23日 安藤隆人

時間を生み出し、新潟U-18の攻撃を力強く牽引!

昨年のルヴァンカップでトップデビューを果たし、今季は同大会で4試合を経験。実力は首脳陣からも高く評価されている。写真:安藤隆人

 ボールを持ったらなかなか奪えない。日本文理の守備陣は、FW本間至恩(3年)が作り出す『時間』に最後まで苦しんだ。
 
 プリンスリーグ北信越・7節のアルビレックス新潟U-18対日本文理の一戦は、J2リーグ15節のアルビレックス新潟とモンテディオ山形の試合終了1時間後に、同じデンカビッグスワンスタジアムで行なわれた。
 
 2トップの一角で出場した本間は、正確なボールコントロールとアジリティを披露。高い位置でボールを収めては、一斉に取り囲む日本文理のディフェンス陣を軽やかなフェイントでかわし、高精度のラストパスからチャンスを作り出した。
 
 チームは32分にFW本田修也(2年)が先制点を挙げると、71分にはDF押久保汐音(3年)が追加点。2−0で迎えた74分には左サイドの中よりの位置で本間がボールを受けると、ドリブルで仕掛けて左サイド深くに走り込んだ味方へノールックのスルーパス。

 カットインからのシュートを警戒していた日本文理のディフェンス陣を嘲笑い、左からの折り返しを交代出場のMF小田奏(1年)が冷静に決めて、試合を決定付ける3点目を奪った。
 
「あのシーンはチームにとっても理想的なゴールだったと思います。仕掛けてラストパスは常に意識していて、あのシーンは左サイドから中にカットインした時に、左サイドに斜めから上がって来た味方が見えたので、オフサイドにならないようにタイミング早めに出してから、すぐに中に入って折り返しを自分が打とうと思いました。結果的には仲間が決めてくれたので良かったです」
 
 スルーパスを出すだけでなく、出した後のイメージも完全に出来ていた。実際に左からの折り返しに対し、本間はゴールを奪える位置にポジションニング。同時に小田のゴール前に入って来る動きも素晴らしく、日本文理としてはふたりの動きを同時に抑えないといけない状態だった。だからこそ、マークのズレが生じてゴールが生まれた。
 
 試合は78分にさらにゴールを奪った新潟U-18が4−0の快勝劇を飾った。全勝で迎えた前節に同じ県内のライバルである新潟明訓との直接対決に0−2で敗れて大きなショックを受けていただけに、リーグ戦中断前の快勝はチームにとって非常に大きな意味があった。
 
「チームとしてしっかりと勝利を手に出来たのは良かったのですし、これまで流れのなかからの得点が少ないと感じていたので、今日は4点とも流れのなかで得点ができたので良かったです」
 
 攻撃の中枢を担った本間は試合後、充実した表情を見せた。同時に今年に懸ける想いも口にした。
 
「やっぱりユースの試合はプロの試合からするとプレッシャーが遅いし、ボールはたくさん持てると思うのですが、ここでボールを持ちすぎても相手に奪われたり、チャンスをフイにしてしまう。これではプロではやっていけないと思っています。もしかするとプレスが甘いから『持たせてもらっている』かもしれないので、常にプロでの意識を持って、連係をしながらタイミングを逃さないで高い意識を持ってやって行きたいと思っています」

次ページ「感覚を大事にしながら、プロでの基準を落とさないでやりたい」(本間)

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