【岩政大樹】西野ジャパンのメンバーは率直に言えば「無難」。監督交代の不安をのぞかせる選手選考だった

2018年05月19日 岩政大樹

西野監督がコンディションを確認したいのは4人だ

シーズン終盤に戦列復帰を果たしたが、香川のコンディションは万全とは言い難い。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 いよいよワールドカップに挑む西野ジャパンの輪郭が見えてきました。メンバーから見える率直な感想は「無難」。色としてはザッケローニ監督時代に戻った気がしました。つまり、自分たちの良さからベースを作ろうと考えていることが伺えます。
 
 青山選手の選出は少し驚きましたが、実力からするとサプライズではありません。ハリルホジッチ監督の時からの常連が軒並み招集されたなかで、ひとり今シーズンのJリーグでの好調ぶりを評価されてメンバーに滑り込んだことは、チームに追い風をもたらすと思います。
 
 怪我の不安を抱える長谷部選手に不測の事態が起きたとしても、中盤の底にどっしりと構えることができる選手を確保したことはチームにとって大きいでしょう。同時に、ハリルホジッチ監督の「人」から守備のポジションをとるやり方にフィットしなかった青山選手の選出は、西野監督の考える守備のやり方がハリルホジッチ監督の時とは変わることを示していると思います。
 
 会見の中で引っかかったのは、久保選手について追加招集の可能性を残す発言があったことです。ベルギーのリーグが長いからといって、23人に選ぶつもりならリストに入れないというのはありえないので、この発言にはなんらかの意図があったはずです。それは、小林悠選手の突然の離脱が影響しているのではないかと予想します。
 
 西野監督は、元々は28人招集するつもりだったと明かしました。ということは、最終的に5人の選手を合宿とガーナ戦でふるいにかける予定だったということになります。本来は今の時点で23人を選びたかったという趣旨の発言からみても、コンディションの確認さえ取れれば、ある程度いろんな状況を想定したうえでのメンバー23人をすでに決めていたはずです。
 
 となると、コンディションを確認したい選手とは誰か。名前が挙がるのは、岡崎選手、浅野選手、香川選手、井手口選手の4人でしょう。となると、この4人のコンディションが整わないと判断した場合のため、あるいはこの4人と競争をさせるための選手も呼ばれたということです。

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