【大分│選手対談】後藤優介×鈴木義宜「信頼し合う攻守の牽引車」

2018年05月10日 梶山大輔(サッカーダイジェスト)

年齢の割にドッシリと落ち着いていた。「本当に大学生?」と。(後藤優介)

エースの後藤優介(左)とディフェンスリーダーの鈴木義宜(右)。ともに副キャプテンを務める攻守の要だ。写真:安藤 隆(スタジオ・シーン)

 13節を終えて、首位に立つ大分トリニータ。序盤戦の躍進を牽引しているのが、エースの後藤優介とディフェンスリーダーの鈴木義宜だ。ともに片野坂知宏監督の下で不動の主力へと成長し、副キャプテンを任されるなど中心的な役割を担う。

 ポジションは違えども、お互いをリスペクトし、信頼を寄せ合う攻守の要に好調トリニータを語り尽くしてもらった。

※『サッカーダイジェスト』2018年5月10日号より抜粋して転載
 
――◆――◆――

――おふたりは同世代(後藤が1993年生まれ、鈴木が92年生まれ)です。これまでに対談は?

鈴木 ないですね。初めてです。

――お互いをどう呼んでいますか?

鈴木 「ごとう」か「ごっつぁん」だね。

後藤 僕は「のり」か「おじさん」と呼んでいます。「おじさん」のほうが多いかな(笑)。

鈴木 お前がそう呼ぶから、お前の奥さんまで「おじさん」と呼ぶようになったよな!!

――"後藤家公認"ですね。他の選手もそう呼びますか?

後藤 いや、僕だけです(笑)。

――キッカケは?

後藤 最初に会った時の印象が強くて……。年齢(当時21歳)の割にドッシリと落ち着いていて、「えっ、本当に大学生?」という感じで。

鈴木 そこはせめて「お兄さん」でしょ。

後藤 愛を込めて、ですよ(笑)。
 
――10節を終えて首位に立ちました。チームの雰囲気はどうですか?[編集部・注/インタビューは4月26日に実施]

鈴木 練習から良い雰囲気でやれているよね。

後藤 そうですね。みんな球際の強さを意識して取り組んでいますね。実際に試合でも競り勝てるようになってきて結果も出ているから、明るいムードを保てています。

――8節の京都戦と10節の金沢戦では、試合終了間際の得点で勝ち切りました(いずれも1―0で勝利)。

鈴木 その勝利は、失点をゼロに抑えたからこそ得られたものです。「先に失点しない」意識を共有できていて、粘り強さや忍耐力がついてきている。そういう手応えがあるね。

後藤 諦める選手は誰もいないですよね。今は何かアクションを起こせば点が入る予感がありますし。ただ欲を言えば、もっと余裕を持つために、早い時間で点を取りたいですね。

――全員がサボらず、攻守にハードワークしています。

鈴木 片野坂(知宏)監督から、試合前やトレーニング中に、「一体感」を口酸っぱく強調されていますから。ハードワークができないと試合に出られないので、皆がチームを優先してプレーしています。それが結果につながっていますね。

――監督の印象は?

鈴木 やりたいサッカーがハッキリしていて、ブレない。だから僕たちもついていきやすいんです。それに、プレーの判断と質にすごくこだわる。監督が求めるディテールを突き詰めれば、チーム力も個の力もレベルアップするはずです。

――ジェスチャーが激しく、情熱的な監督ですよね。

後藤 熱すぎますね(笑)。

鈴木 試合を観てもらえれば分かるよね。

後藤 ミーティングで得点シーンを振り返る時に、つい監督の姿に目がいっちゃう。ものすごく喜んでいるから。

鈴木 全身全霊で戦ってくれているのが伝わる。

後藤 そこはすごく感じます。だからこそ、何を言われても納得できますね。

次ページたとえ自分たちのペースで進められなくても、勝点を拾えるか。それに尽きます。(鈴木義宜)

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