「メンタルの弱さの象徴だ」ケインがイングランドに蔓延る悪しき“嘲笑文化”を痛烈批判

2018年05月04日 サッカーダイジェストWeb編集部

なぜケインはFAやメディアに釘を刺したのか。

批判に対しては常に結果で見返してきたケインだからこそ、今回の言葉には説得力がある。 (C) Getty Images

 今夏に幕を開けるロシア・ワールドカップでのイングランド代表の命運を握ると言っても過言ではない点取り屋ハリーケインは、国内の悪しき風潮を痛烈に批判した。

 いまだ伸びしろを見せている24歳のケインが、イングランド・サッカー界にとって希望の星であることは周知の事実だろう。今シーズンもプレミアリーグで34試合に出場して27ゴールをマークし、アラン・シアラー(1993-94~1996-97)やティエリ・アンリ(2003-04~2005-06)に続いて、3年連続で25得点を記録したプレミア史上3人目の選手となった。

 その活躍ぶりは所属するトッテナムに限らず、イングランド代表としても十分な存在感を示して結果を残している。指揮官のガレス・サウスゲイトがキャプテンに指名していることからも、ケインへの期待度の高さが窺い知れる。

 そんなストライカーが5月1日、『ESPN』など複数のメディアを通して、イングランド・サッカー協会(FA)や英メディアで蔓延る悪しき文化に苦言を呈した。

「イングランドでは、選手をからかい、バカにする。そういったことが気軽になされているね。もし、僕らがW杯でうまくいかなければ、きっと彼らは『ほら見ろ、言ったとおりだ』と、我が物顔で言うんだろう。全て、メンタリティーの弱さの象徴だと言えるね」
 

 そもそもケインがこのような発言をしたのには、確固たる理由がある。

 4月22日に行なわれたFAカップ準決勝で、トッテナムはマンチェスター・ユナイテッドに1-2で敗戦。先発出場していたケインは、クリス・スモーリングのハードマークに苦戦し、完全に抑え込まれてしまった。

 そんな試合後のことである。あろうことかFAが、無得点に終わったケインを揶揄するツイートをしたのだ。

 直後にFAはこれを謝罪し、該当のつぶやきを削除したものの、協会が自国の代表エースを小馬鹿にするという侮辱的な行為に、トッテナムの指揮官マウリシオ・ポチェティーノが「FAの行動は理解し難い。本来、イングランド人選手を守るべき立場なのに」と非難するなど、大騒動に発展した。

 ケインはこれに加え、点を取れなくなった途端に手のひら返しで批判記事を展開する国内のメディアをあり方にも、釘を刺している。
 

次ページケインが警鐘を鳴らした意味。

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