【横浜】あの内田篤人も「凄いよ」と絶賛する“鉄人”中澤佑二の充実ぶり

2018年04月29日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

連戦が続くなかでもハイパフォーマンスを披露

精力的な走りを見せるなかで、局面の勝負でも負けず。金崎(10番)らを相手に格の違いを見せつけた中澤(22番)はチームの完封勝利に大きく貢献した。写真:田中研治

[J1リーグ11節]横浜3-0鹿島/4月28日/日産ス
 
「あのラインの上げ下げ、どれだけキツイか」「凄いよ」
 
 鹿島の内田篤人が、そのプレーぶりに舌を巻く。絶賛されたのは、横浜のディフェンスリーダー、中澤佑二だ。そのことを本人に伝えると、「僕は上げていないですよ。上げている"フリ"です(笑)」とうそぶく。
 
 鹿島戦での中澤のスプリントは16回。このゲームで先発フル出場した4人のCB(横浜の金井貢史/10回、鹿島の犬飼智也/15回、植田直通/12回)の中で、トップの数字である。
 
「今年のスプリントの目標は20なんで。プラス、総走行距離は11キロを目指しています。それができるぐらいのコンディションに持っていきたい」
 
 掲げたノルマを達成するには、「ハイラインにするのはもちろん、戻る時のスプリントも必要。それを90分間通して、やり続けるだけの体力やメンタルの部分での集中とか、いろんなことが大事になってくる」と表情を引き締める。そして自らの踏ん張りが「勝利につながるような状態になれば理想」と続けた。
 
 連戦が続くなかでのハイパフォーマンスだ。中澤本人は「連戦じゃないほうがいいなぁ」「今日も疲れた」と正直な気持ちを吐露する。それでも、「疲れるのを嫌がっていては、良いサッカーはできない。疲れるのは当たり前だと思いながら、そこで初めて"勝ち"を手にできるものだと思う」と語る。
 
 体力的にはキツいはずだが、精力的に走りながらも、局面の1対1では高い勝率を誇る。鹿島の金崎夢生やペドロ・ジュニオール、鈴木優磨ら実力のあるアタッカーたちを、熟練のディフェンステクニックでしっかりと抑え込んでみせた。
 
 もっとも、それはハイラインをベースとするチーム戦術によるところが大きいようだ。
 
「ラインを上げているんで、相手も良い状態でなかなかボールを受けられないのがプラスに働いている。ガチっと引いた状態でやると、去年の対戦の時みたいに、狙いが絞れない状態で守らなければいけなくなるから。
 
 ラインを上げることで、鹿島もすごく嫌がっていたと思う。そこも今のF・マリノスの強み。怖がらずに続けていければいい」
 
 攻守にアグレッシブさを貫く今季の横浜で、連続フルタイム出場記録も更新中(168試合)の"鉄人"の凄みは、ますます増すばかりだ。
 
取材・文●広島由寛(サッカーダイジェスト編集部)

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