「もしイニエスタの名前が“アンドレジーニョ”だったら…」 S・ラモスが持論を展開

2018年04月26日 サッカーダイジェストWeb編集部

「バロンドールを2回は受賞していただろう」

イニエスタがこれまでバロンドールを一度も受賞できなかったのは、「スペイン人だから」と結論づけたS・ラモス。国を挙げてのサポートが必要だと語る。 (C)Getty Images

 まもなく34歳となるバルセロナのアンドレス・イニエスタは、近く去就を明らかにする見込みだ。今シーズン限りでの退団が濃厚で、各地では改めてイニエスタの功績を称える声が上がっている。

 実際イニエスタは、「世界最高」の称号にもふさわしい実績を残してきた。バルサの黄金期を支えるメンバーのひとりとして、リーガ・エスパニョーラ優勝8回(9回目もすぐそこだ)、チャンピオンズ・リーグ(CL)優勝4回、コパ・デル・レイ優勝6回をはじめとする数々のタイトルを獲得。スペイン代表では、チームの主力として史上初のメジャートーナメント3連覇(EURO2008、2010年ワールドカップ、EURO2012)に大きく貢献した。

 2010年の南アフリカW杯の決勝で、スペインに初の優勝をもたらす決勝点を挙げたのも、イニエスタだった。だがこの年、フランス誌『France Football』とFIFAが共催したバロンドールは、バルサのチームメイトであるリオネル・メッシの手に渡った。

 同じく最終候補の3人に残っていたシャビかイニエスタのどちらかだろうと言われていただけに、W杯でインパクトを残せなかったメッシの受賞は、大きな議論を呼んだ。なによりメッシ本人が驚きを隠せなかったほどだ。
 
『France Football』誌の記者は先日、名誉あるバロンドールを授与できなかったことをイニエスタに謝罪した。そして、クラブでは宿敵としてしのぎを削り、代表ではともに栄光を分かち合ってきたレアル・マドリーのセルヒオ・ラモスも、イニエスタはバロンドール受賞にふさわしかったとの考えを持っている。

 スペイン紙『AS』によると、マドリーのキャプテンを務めるS・ラモスは、4月25日のCL準決勝第1レグでバイエルンに敵地で2-1と勝利した試合後、イニエスタについて「アンドレスじゃなく"アンドレジーニョ"という名前だったら、彼はバロンドールを2回は受賞していただろう」と述べた。

 説明するまでもなく、このコメントには「スペイン人ではなくブラジル人だったら」というニュアンスが含まれている。もちろん、バロンドールでブラジル人選手が優遇されているという事実はないが、S・ラモスは「僕たち全員のせいかもしれない。スペインのメディアは自国のプレーヤーをあまり評価していないじゃないか」ともコメント。国を挙げて、自国の優れた選手を後押しする必要があったのではないか、との考えを伺わせた。

 中国のクラブへの移籍が濃厚と言われるイニエスタだが、ここにきて恩師ジョゼップ・グアルディオラ監督がマンチェスター・シティに誘っているとの噂も浮上している。本人からの正式発表が待たれる。
 
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