「俺の一番の財産」渡邉晋コーチが手倉森誠監督から学んだのは、“あの”力の大きさ

2018年04月27日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

「それだけじゃないと本当に思い知らされた」

渡邉監督がコーチ時代に手倉森監督から学んだことを語ってくれた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 今季、J1で10節を終えて7位につける仙台を指揮する渡邉晋監督。2014年の監督就任から5季目に突入し、昨季にはシステムを3-4-2-1に変えるなど、試行錯誤をしながらチームの強化を進めてきた。
 
 その指導について渡邉監督は「ピッチでトレーニングをして、サッカーを教える。それで、選手を変えて上手くすることができると、ずっと思っている」と語る。
 
 しかし、指導者としてのその考えは2008年、トップチームのコーチとして手倉森誠監督に出会い、覆された。「それだけじゃないと本当に思い知らされた」。そう話す渡邉監督は、現日本代表コーチから学んだ「言葉の力」について教えてくれた。
 
「誠さんに出会って、言葉の力の大きさを味わった。それは今の俺にとって、ものすごく大きな財産。だから、ひとつの言葉でもすごく考えるし、タイミングにも気を使う。それで選手を変えられると感じた。自分の武器にできればと思っている」
 
 08年から13年まで仙台で指揮を執った手倉森監督は、09年にJ2優勝でチームをJ1に導く。すると、11年にはJ1で4位と好成績を残し、12年には2位に大躍進を果たした。着実にクラブを成長させてきた指揮官の右腕として、渡邉コーチは「言葉の力」の偉大さを直に感じ取ったようだ。
 
 今季の仙台は開幕から順調に勝点を積み重ねてきたが、9節の磐田戦に0-3で敗れ、10節のC大阪戦は1-2で負けた。リーグ連敗中の今こそ、選手を奮い立たせる「言葉の力」が求められるかもしれない。
 
取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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