「日本代表監督? チャンスはほぼない」フランス専門誌編集長が名将ヴェンゲルの新天地をズバっと予測!

2018年04月24日 レミー・ラコンブ(フランス・フットボール誌編集長)

プレミアでもフランスでもクラブレベルの指揮は…

はたして68歳となったフランスの名将はどこに活躍の場を移すのか。アーセナルの次期監督選びと同様、世界がその動静を追う。(C)Getty Images

「辞めたりしたら、それこそ死んでしまうよ!」
 
 アーセン・ヴェンゲルが数か月前、親友のひとりに打ち明けた言葉だ。この親友は、当時厳しい批判に晒されていたヴェンゲルの健康状態を心配していたのだが、思いも寄らない力強い言葉が当人から返ってきたのである。
 
 このフレーズは真剣に受け取るべきだ。アーセンにとって、フットボールは人生のすべてだからだ。そこに他のものが入り込む余地はない。家族との生活も、趣味も、レジャーも入り込めないのだ。
 
 それゆえ、彼がアーセナルの指揮から身を引くと発表したばかりの現時点でも、ひとつのことだけは確実である。彼はフットボールの世界に残る、ということだ。68歳となったいまでも、この世界からの引退はいっさい検討していないのである。

 
 では、次はどんな舞台にリバウンドするのか。いったいどんな役回りで?
 
 まず、イングランドの他クラブを率いるという線は、完全に排除される。ヴェンゲルは忠実な男であり、22年間もアーセナルに尽くした後に同じリーグのライバルと契りを結ぶのは、不可能だからだ。
 
 ほかにも可能性の低い仮説はある。フランスまたは他国のクラブで、指揮官に就任するのではないかという仮説である。たしかに彼は毎朝、チームや選手たちのど真ん中でピッチに立つことをこよなく愛するが、この職業を日常的かつ長期的に遂行するのはもはや年齢的に難しくなっていると、本人もよく承知している。
 
 そうなると、代表監督でもいいのではないか。これまでとは異なった、新たなチャレンジに挑戦できるかもしれない。過去にもヴェンゲルは、いつか代表監督に興味を持つかもしれない、と示唆してきた経緯がある。まさにそのときが来たのかもしれない。
 
 ならばどの代表チームか。フランスではこのポストにディディエ・デシャンがどっかりと居座っているし、イングランドでもガレス・サウスゲートが鎮座している。ワールドカップ後にこのふたりのうちひとりが去りでもしない限り、その線は生まれないだろう。

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