４月21日のコパ・デル・レイ決勝は、バルセロナがセビージャを５-０と粉砕し、４年連続30回目の優勝を決めた。キャプテンとして新たなトロフィーを掲げたアンドレス・イニエスタだが、バルサを去る日はすぐそこに迫りつつあるようだ。

　戴冠が確実となった後半88分、１ゴールを挙げていたイニエスタの交代が告げられると、両チームのサポーターから背番号８に拍手が送られた。デニス・スアレスとの交代でベンチに戻ったイニエスタの目は潤んでいた。

　今月中に去就をはっきりさせるとしていたイニエスタは、以前から中国移籍が内定していると報じられている。スペイン紙『Marca』によると、イニエスタは試合後に「今週、決断を発表する」と明かしたという。

　イニエスタは自身の将来について「少し明確」と述べつつも、「今日が良い日になってほしいと願っていた。最初からすべてがうまくいった」と、まずはチームの優勝を喜んだ。

「チームとファンは（採点で）10点に値する。すごく感動的で嬉しい。幸せだよ。なによりもタイトルを獲得できたことがね」
 

　一方、エルネスト・バルベルデ監督は、「まだ彼は出ていくと言ったわけではない。決断して発表するのは彼だ」と述べつつ、イニエスタのパフォーマンスを称賛するにとどまった。

「明らかなのは、今日のゴールも含めて、イニエスタがスペクタクルなプレーヤーだということ。彼のプレーを見ることができるのは本当に楽しい。とても難しいことを簡単にやってのけるから」

　だが、イニエスタの父はスペイン・メディアにおいて、「（バルサを）去ると決めたら、その意見を尊重しなければいけない。彼が去ると決めるなら、良いタイミングだと思う。息子は難しい一歩を踏み出す」と、退団を伺わせるコメントを残している。

　コパを制したバルサは、首位に立つリーガ・エスパニョーラでも優勝決定の瞬間が近づいている。２年ぶり25回目のリーガ制覇が、イニエスタにとってバルサで最後のタイトルとなるのかもしれない。