【現地発】約390億円で強化の守備陣が…ペップにとってCLのリバプール戦は矛盾極まりない結果に

2018年04月19日 エル・パイス紙

ペップのものとは思えないコメント。

プレミア制覇達成もCLではリバプールに惨敗。ペップはテクニカルな守備者をかき集めながらも、その特性を十分に活かせなかった。(C)Getty Images

 独自の攻撃的なプレースタイルでサッカー界に戦術的革新を起こしてきたジョゼップ・グアルディオラ監督は近年、守備に比重を置く傾向が強くなっている。

 マンチェスター・シティは2015年以来、3億ユーロ(約390億円)を上回る巨額を投じて、守備陣の大型補強を敢行した。そのときに獲得したのが以下の8人だ(カッコ内は移籍金)。

GKクラウディオ・ブラーボ(500万ユーロ)
GKエデルソン(4000万ユーロ)
DFニコラス・オタメンディ(4500万ユーロ)
DFジョン・ストーンズ(5000万ユーロ)
DFバンジャマン・メンディ(4000万ユーロ)
DFダニーロ(1800万ユーロ)
DFカイル・ウォーカー(5000万ユーロ)
DFエメリック・ラポルト(6000万ユーロ)

 ニコラス・オタメンディだけはグアルディオラ就任前に入団しているが、タイプ的に見ても、このスペイン人指揮官の意向を反映して獲得した選手であるのは間違いない。

 この間の総投資額が5億ユーロ(約650億円)強で、補強した新戦力の総数が20人であることを考えると、どれだけ守備の強化に力を注いできたかがわかるだろう。
 
 しかし、そのうちの何人かがスタメンで出場したチャンピオンズ・リーグ準々決勝第1レグのリバプール戦で、シティは0-3の大敗を喫した。優先課題として強化に取り組んできたはずの守備が崩壊し、グアルディオラ監督にとってはパラドックス(矛盾)極まりない結果となったのだ。

 試合後グアルディオラは、「ペナルティーエリア内での守り方が良くなかった」と敗因を述べたが、引いて守るのではなく、ボールを保持して攻めることをプレーコンセプトに掲げてきた彼のものとは思えないコメントである。

 そもそも守備陣を補強する際も、そうしたみずからの考え方を反映させた人選を行なってきたはずだった。しかし、このリバプール戦では自陣で失ったボールを奪い返すことができず、DFラインがズルズルと後退。モハメド・サラーの先制点のシーンはその最たるもので、失点の瞬間はGKのエデルソン以外、シティの選手が5人もペナルティーエリア内に位置していた。
 

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