【浦和】“居残り練習”が導いた3連勝! ノブさんは菊池大介と橋岡大樹に何を授けたのか?

2018年04月18日 佐藤亮太

サイドのポジションだった池田コーチならではのアドバイス。

清水戦で興梠の2ゴールを引き出した菊池(38番)と橋岡(27番)。ともに池田コーチの居残り練習が好結果を生み出した。写真:サッカーダイジェスト/徳原隆元

「練習は嘘をつかない。改めて、そう思いました」
 
 浦和レッズMF菊池大介は試合後のミックスゾーンでそう語った。
 
 J1リーグ8節。浦和は2-1で清水に競り勝ち、リーグ3連勝を飾った。先制点となった23分。FW興梠慎三のヘディングシュートをアシストした菊池のクロスは絶妙だった。
 
「ノブさんがずっと一緒についてやってくれて本当に感謝。感謝ですよ」
 
 菊池が言う"ノブさん"とはトップチームの池田伸康コーチ。池田コーチは1993年、浦和に加入。99年に退団後、2000年に川崎。01年・02年に水戸。引退後、04年から主に育成年代で指導し、コーチとして日本代表FW原口元気、ドイツ2部インゴルシュタットのMF関根貴大を育てた。堀孝史前監督が就任した直後の昨年8月、トップチームのコーチに就任。現役時代と変わらぬ明るいキャラクターでチームを盛り立てる。

 
 ゴールを生んだ菊池の絶妙クロスは池田コーチとの居残り練習で培われた。
 
「あの大介のクロスは嬉しかった。クロスが苦手だったからね。大介には"絶対に使える時が来るから"と言っていた」と、池田コーチは自分のことのように喜んだ。
 
 池田コーチは菊池に何を授けたのか。それは"こする"技術。
「"押し出す"というより"こすりあげる"こと。センタリングで一番、やっちゃいけないのはゴールから出ること。こすると自然に外に出ないし、ボールは遠くに逃げなくなる」
 現役時代、サイドのポジションだった池田コーチならではのアドバイスだ。
 
 菊池だけでない。清水戦で興梠の2点目をアシストしたルーキーDF橋岡大樹。攻守にわたる活躍の裏には、やはり池田コーチとの居残り練習があった。
 
「今まで以上に高い位置でボールに触ろう」と、橋岡は高さ約180センチのフリーキックなどに使われる「壁人形」越しから山なりに放りこまれるボールをジャンプしながらヘディングで返した。また腹筋運動の体勢から投げられたボールを頭で返すなど、繰り返した。
 
 清水戦を振り返り、橋岡は「(西川)周作さんのロングボールをタイミングよく受けられた。やってきたことが生きた。継続は力です」と語った。
 
 その橋岡は、試合が空く週には予め決めた居残り練習のメニューを行なう徹底ぶり。清水戦で足をつりながら最後までピッチに立ち続けたのも、この賜物だ。
 

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