伊藤達哉の積極プレーもゴールに結び付かず…ハンブルク、ホッフェンハイムに力負け

2018年04月15日 サッカーダイジェストWeb編集部

スピーディーな相手に苦しめられた酒井

41分にマーカーのノルトベイトをスピードで完全に置き去りにするなど、そのドリブルは十分に通用した伊藤だが、要所はしっかり押さえられ、目に見える結果を残すことはできなかった。 (C) Getty Images

 4月14日(現地時間)、ブンデスリーガ第30節が行なわれ、ハンブルクは0-2でホッフェンハイムに敗れた。
 
 前節、2位のシャルケに終盤で勝ち越しゴールを奪って16試合ぶりの勝利を飾るとともに、最下位を脱出したハンブルク。切れ味鋭いドリブルで存在感を示した伊藤達哉(2列目左サイド)は、キャプテンの酒井高徳(右SB)とともに7位ホッフェンハイムのホームに乗り込んだ今節も、スタメンに名を連ねた。

 試合はホームチームがいきなりカウンターを仕掛けるが、酒井はクロスをスライディングでカットするなど、相変わらずの気迫溢れるプレーを披露。一方、4分に初めてボールを受けた伊藤は、ヴァルトシュミットにスルーパスに出してさっそく、チャンスを作りかける。
 
 8分、左からのクロスを酒井がヘッドでクリアするも弱く、これを拾ったヒュブナーにシュートを決められてしまう。しかし、前に残っていたニャブリがオフサイドということで無効となり、救われた。
 
 しかし18分、ホッフェンハイムはニャブリのペナルティーエリアに強引に侵入してのゴールで先制。ハンブルクにとっては、ニャブリをマークしていたファン・ドロンヘレンがバランスを崩してクリアできなかったことが悔やまれた。
 
 その後、立て続けに決定機を作ったホッフェンハイムは27分、シュルツがドリブルで左サイドを突き進み、懸命にスライディングで足を伸ばす酒井を置き去りにし、エリア内に侵入してクロス。ニアのシャライが合わせて2点目を奪う。
 
 中盤での守備が機能せず、相手にスピーディーな攻撃を許し、ラインの裏を再三狙われるハンブルクDF陣にとっては、厳しい時間が続いていく。39分にもFKから立て続けにクロスバーを叩くシュートを浴びるなど、危ない場面はたびたび訪れた。
 
 33分には早くも選手交代を余儀なくされるなど、うまく事が進まないアウェーチームだったが、そんななかで伊藤はボールを持つたびに期待感を持たせる。長短の正確なパスを味方に通してシュートを引き出したり、ドリブルでは縦横への突破でクロス、あるいは自らシュートを放っていった。
 
 ハンブルクの前半最大のチャンスは35分。相手ゴール前でエクダルが戻したボールを酒井がエリア外からダイレクトで叩いて左隅に飛ばしたが、この決定的シュートはGKバウマンの横っ跳びファインセーブに弾き出された。
 
 後半、立ち上がりはやはりホッフェンハイムが攻勢に立ち、47分には縦パスで抜け出したカデジャーベクが強烈なシュートで右ポストを叩く。その後も速い攻めで再三ハンブルク・ゴールに迫り、シュートの数を増やしていった。
 
 しかし、ゴールが必要なハンブルクは前半よりも積極性を増し、再三敵陣深くに入り込み、ゴール前にボールを運んでいく。伊藤はエリア内でもドリブル勝負を仕掛けてあわやPKかという場面を作り、69分には惜しいスルーパスをコスティッチに通した。
 
 酒井も右サイドを再三駆け上がり、エリア外の好位置でFKを獲得するなど、攻撃により重点を置いたプレーを見せる。
 
 とはいえ、攻撃の質においては個々でも組織でも上のホッフェンハイムは、ポゼッションは相手に譲りながらも、機を見て効果的な攻撃でチャンスを作る。73分にはCKからアコプグマがゴールネットを揺らしたが、これは直前のファウルで認められなかった。
 
 終盤もボールを奪ってからのカウンターでチャンスを作りかけたハンブルクだが、相手の要所を締めた守備は最後まで崩れることなく、逆にカウンターで危ないシュートを浴びるなど、ホッフェンハイムにペースを握られたまま試合を終えることとなった。
 
 力の差を思い知らされるかたちとなった完封負け……。それでも、ケルンがヘルタ・ベルリンに先制しながらも、後半に逆転されて試合を終えたことで、ハンブルクは再び最下位に転落することは免れたが、残留に向けての残り試合は4つ。より状況は厳しくなっていく。
 
 酒井は守備で相手の勢いのある攻撃に苦しめられ、伊藤はその突破力は十分に通用した反面、クロスのコースをバウマンに読まれるなど、まだまだ向上させるべき点が幾つもあることを感じさせた。
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