日本の先発布陣はどうなる?「ポジション別コンディションチェック&スタメン予想」

2014年06月13日 原山裕平

予想がつきにくい1トップとボランチの1枚。

ボランチでは調子の上がらない遠藤や長谷部を尻目に、青山の抜擢もあり得る。 (C) SOCCER DIGEST

センターフォワード
 
 コートジボワール戦のスタメンが最も予想しにくいポジションだろう。コスタリカ戦で1得点・1アシストと結果を残した柿谷は、続くザンビア戦では不発に。一方、大迫は結果こそ出せていないものの、いずれの試合も前線で基点を作るなど安定したパフォーマンスを見せている。スペースを突きたいのなら柿谷、ポストプレーを求めるなら大迫。その戦略によって、スタメン選びは変わってきそうだ。
 
 もちろん大久保という選択肢もあるが、あくまでザッケローニ監督は「ジョーカー」というイメージを持っているだろう。前線だけでなく2列目でも使えるユーティリティー性は、試合展開に応じて采配の選択肢を増やしてくれるだけに、ベンチに置いておき、ここぞという場面で投入してくるはずだ。
 
2列目
 
 本田、香川、岡崎の3人で決まりだろう。ただし、本田はザンビア戦で結果こそ出したものの、本調子にはまだほど遠い出来。彼のキープ力は日本の攻撃の生命線と言えるだけに、初戦までにどこまで状態が改善されているかが気になるところだ。
 
 一方、もうひとりのエースである香川は好調を維持している。「ワールドカップではいろんな欲があると思うけど、それをどう抑えるか。その気持ちのコントロールが勝負なのかなと思う」と語っているように、メンタル面での落ち着きが感じられるのも頼もしい。
 
 岡崎がキプロス戦からの3試合でノーゴール。アメリカでは発熱し、ザンビア戦では接触プレーで瞼を切るなど、アンラッキーな状況が続いている。とはいえコンディション自体は悪くなく、身体も比較的キレているだけに、さほど心配はいらないだろう。
 
 大久保の出現で出番が減っている清武と、ザンビア戦でアピールできなかった齋藤は、現状ではコートジボワール戦のピッチに立つのは難しいかもしれない。
 
ボランチ
 
 山口のスタメンは確定事項で、残り1枚を3人で争う構図となっている。アメリカ合宿では別メニューが続いていた長谷部は、ブラジル入り後に全体練習に合流。フルメニューをこなしており、本人も「(出場は)監督が決めることだけど、僕はできる準備はしてます」と回復ぶりをアピールしている。ただし、アメリカで実践を積めなかったのは、やはりマイナス要素であり、いきなりコートジボワール戦にスタメン起用するのはリスキーだ。展開によって、途中出場が現実的か。
 
 遠藤はいまひとつ調子が上がって来ていない。コスタリカ戦でゴールを奪ったものの、ザンビア戦では相手のフィジカルの強さに苦慮し、とりわけ守備時には翻弄されるシーンが目に付いた。また、攻撃でも彼らしいパスワークがあまり見られず、決定的な場面も作れなかった。初戦の会場であるレシフェの暑さを考慮しても、34歳のベテランが90分間プレーするのは酷かもしれない。
 
 アメリカでアピールしたのは青山だ。コスタリカ戦では指揮官が求める縦パスを積極的に打ち込み、ザンビア戦では出場直後に大久保の決勝点をアシストしている。その積極的なスタイルは日本の攻撃に新たな風を吹き込んだ。ただし、その縦への意識は同時にリスクも招く。ボールを奪われればカウンターの餌食になりやすいだけに、より慎重に戦いたい。
 
 大事な初戦に青山を選択するのは、ある意味で危険な賭けかもしれない。もし、仮にスターティングリストにその名があったとすれば、それはザッケローニ監督のこの大会に懸ける覚悟の表われだろう。

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