【今日は何の日?】6月13日「開幕戦で前回王者アルゼンチン敗れる」

2014年06月13日 サッカーダイジェストWeb編集部

「開幕戦は引き分け」の定説を打ち破った20年ぶりの得点。

大喜びのベルギーとうなだれるマラドーナの対照的な姿。神童はこの先しばらく、苦難の道を歩むこととなった。 (C) SOCCER DIGEST

 今大会で20回目を迎えたワールドカップ。これまで80年余りの歴史において、数えきれないほどのドラマを創り上げてきた。
 
 6月12日の開幕から約1か月にわたり、日々、地球の裏側で展開される熱い戦いに魅了されながら、同時にこの祭典の長い歴史にも関心を寄せてみてはいかがだろうか。
 
 これから、ワールドカップ期間中、その日、過去のワールドカップで何が起こったかをピックアップして紹介していく。
 
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 1966年イングランド大会からしばらく、開幕戦はスコアレスドローが続いた。同大会ではイングランドがウルグアイと、70年大会ではメキシコがソ連と0-0の試合を演じた。開催国に代わって前回優勝国が開幕戦に登場するようになった74年大会でもブラジル対ユーゴスラビア戦、続く78年大会の西ドイツ対ポーランド戦も、やはりスコアレスドローに終わっている。
 
 開幕戦は引き分け――。そんなジンクスが定着しつつあったなかで、82年スペイン大会が幕を開けた。カードはアルゼンチン対ベルギー。前者は前回優勝を果たしたメンバーに、ディエゴ・マラドーナやラモン・ディアスといったワールドユースで世界一を果たした若きスターが加わっており、今大会でも優勝候補の一角。一方のベルギーは、2年前のヨーロッパ選手権で準優勝を飾るなど勢いに乗っており、大会のダークホース的存在と目されていた。
 
 会場はバルセロナのカンプ・ノウ。カタルーニャ地方特有の酷暑のなか、両チームは後の試合に必要な体力を温存する意味もあってか、互い中盤でのプレーに終始し、これといった見せ場もないまま試合は進む。ピッチには「ドローで良し」の雰囲気が充満していた。
 
 しかし、単調な前半が終わると、ベルギーが仕掛け始める。そして62分、フランキー・ヴェルコーテルンの左からのクロスからアルゼンチンのオフサイドトラップを破ったエルウィン・ヴァンデンベルグがフリーで名GKウバルト・フィジョールの牙城を崩した。開幕戦では、実に20年ぶりの得点だった。
 
 ここからアルゼンチンも反撃を開始。しかし、マラドーナのFKはクロスバーを叩き、4年前のヒーロー、マリオ・ケンペスの決定的なシュートはベルギーGKジャンマリー・プファフの身を挺したブロックに阻まれる。結局、最後までベルギーゴールのネットを揺らすことはできなかった。開幕戦で決着がついたのも、62年大会以来のことである。

次ページ番狂わせの90年大会以降、引き分けの開幕戦は激減した。

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