【金田喜稔】「このタイミングか?」とは思うが、ハリル解任を決断した協会は「よくやった!」

2018年04月09日 サッカーダイジェスト編集部

そもそも、日本代表の監督を代えると言う決断は、かなりの勇気が要る。

4月9日、日本協会はハリルホジッチ代表監督の解任を発表。後任には西野技術委員長を抜擢した。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 ロシア・ワールドカップを約2か月後に控えたこの時期に、指揮官交代の一報を聞いた時は、耳を疑った。まさに、前代未聞の事態だし、このタイミングで決めることだったのか、疑問は拭えない。

 それでも、個人的には日本協会の決断を尊重したい。3月の欧州遠征を見て、ハリル監督でワールドカップを戦うことに不安を覚えていたからだ。

 そもそも、日本代表の監督を代えるという決断は、かなりの勇気が要る。それを、リスクを承知の上でこの時期に実行したのだから「よくやったな」と。仮に、本大会で惨敗に終わったとしても、このチャレンジを選択したうえでの結果であれば、納得がいく。

 とはいえ、もっと早くに決断できなかったものか。田嶋会長も「タイミングは遅い」と認めていたけれど、少なくとも昨年には決めたかった。

 ハリル監督の戦術は、やはり日本人には合わない。11月の欧州遠征、12月のE-1選手権での体たらくぶりを見ても、それを感じていたから遅きに失した感は否めないし、そのあたりはもうちょっとなんとかしてほしかった。
 後任の人選にしても、正直言うと納得はしてない。もちろん、新たに監督に就任する西野さんも素晴らしい人物だとは思う。実際、アトランタ五輪、Jクラブでも、G大阪や柏で実績を残している。

 それでも気になるのは、近年は現場から離れていたという点だ。16年3月からは日本協会の要職に就いてきたけれど、はたして現場での指導力を上手く発揮できるのか。

 その点で言うと、A代表のコーチで、16年のリオ五輪代表を率いた手倉森さんのほうが良かったような気がしてならない。

 西野さんを日本代表監督にするなら、それこそ現場で結果を残していた時期、例えば2006年ワールドカップの時に抜擢するといった考えの方が妥当だろう。

 今さらそういう話をしても致し方ないが、要は、単純に外国人指揮官を招聘するのではなく、今後はしっかりとした考えの下で監督選びに従事してほしいものだ。

次ページ本大会メンバーの発表は、必ずしも5月末にこだわらなくても良い。

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