「タイミングは遅い」と田嶋会長も認める解任劇。なぜハリルをここまで引っ張ったのか?

2018年04月09日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

ポジティブとネガティブ、両方を天秤にかけて…

選手との溝を埋めきれず、ハリルホジッチは日本代表を離れることに。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部

 日本サッカー協会は4月9日、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督との契約解除を発表した。
 
 ワールドカップ本大会まで、残り約2か月。このタイミングでの監督交代は異例の措置であり、会見に臨んだ田嶋幸三会長も「たしかにタイミングは遅い」と認め、「最後までハリルホジッチ監督でグッと固まれるように努力した」ともいう。
 
 だが、これ以上は待てなかった。ハリルジャパンのポジティブな要素とネガティブな要素、そのふたつを天秤にかけながら常に考えていたが、ネガティブな要素が上回ったのが、マリ、ウクライナと対戦した今年3月のベルギー遠征だった。
 
 協会としては、監督を代えるリスク、代えないリスクについても議論を重ね、様々な観点から熟考してきた。だが、監督と選手との溝は埋めきれず、チームは一枚岩になれていなかったようだ。
 
 ハリルジャパンは昨年8月にロシア・ワールドカップ出場を決めた後、同年の11月シリーズではブラジル、ベルギーに連敗、同年12月のE-1選手権では韓国に1-4の完敗を喫し、今年の3月シリーズではマリに引き分け、ウクライナに敗戦。苦戦の連続で、選手たちからも懐疑的な声が上がっていた。
 
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