コロンビアが誇る21歳の大器! スパーズ指揮官も「間違いなくワールドクラスになる」と太鼓判

2018年04月08日 サッカーダイジェストWeb編集部

63億円でやってきた若武者が本領を発揮!

クラブレコードの移籍金で獲得した実力はダテではなかった。サンチェスはいまや、トッテナムの最終ラインに欠かせない中軸だ。(C)Getty Images

 21歳とはとうてい思えない風格と安定ぶりだ。
 
 トッテナム・ホットスパーは現地時間4月7日、プレミアリーグ33節でストーク・シティの敵地に乗り込み、2-1の快勝を収めた。これでチームはリーグ戦6連勝を飾り、14試合連続無敗はプレミアにおけるチーム最多タイ記録だ。
 
 ハリー・ケインやソン・フンミン、クリスティアン・エリクセン、デル・アリと圧倒的な攻撃のタレントに注目が集まりがちだが、堅調なディフェンスもまた、快進撃の根幹を支えている。32試合を戦って27失点はリーグ3番目の少なさ。その旗頭となっているのが、コロンビア代表の若きCBダビンソン・サンチェスである。昨年夏にオランダの名門アヤックスから鳴り物入りで入団。出来高オプション付き4200万ポンド(約63億円)の移籍金はトッテナムのクラブレコードで、マウリシオ・ポチェティーノ監督が獲得を切望したと言われる。

 
 アヤックスには2016-17シーズンの1年間のみ在籍したが、ファンが選ぶシーズンMVPを受賞するなど、守備の要として圧巻のプレゼンスを披露した。そもそも母国のクラブ、アトレチコ・ナシオナルで定位置を確保したのは2015年の下半期で、まだプロとして身を立てて2年半程度しか経っていない。それでも2016年シーズンにナシオナルのコパ・リベルタドーレス優勝の原動力となり、同年11月のアルゼンチン戦でA代表デビューと、急加速的な成長を続けてきた。
 
 南米制覇の立役者となって一躍声価を高め、バルセロナが獲得に本腰を入れた。しかしそれは、バルサB加入への誘いだったという。サンチェスはトップリーグで出場してこそレベルアップを果たせると信じ、同じタイミングでオファーをくれたアヤックスを選択。そしてその1年後には、トッテナムの門を叩いた。とんとん拍子とはこのことだ。
 
 CBとしての総合値はすこぶる高く、非の打ちどころがない。強さ、速さ、高さに加えて、足下の技術にも長け、2000年代のスパーズでアイコンだったレドリー・キングを彷彿とさせる。まさしく、多様性が進む現代サッカーの申し子とも言える守備者だ。トッテナム加入当初はプレミアのゲームスピードの異常な速さに戸惑いを見せたが、3バックの中央に陣取り、トビー・アルデルワイレルド、ヤン・ヴェルトンゲン、守護神ユーゴ・ロリスという百戦錬磨トリオの支援を受けながら、瞬く間にアジャストしていった。
 
 昨年秋にはアルデルワイレルドが負傷離脱する緊急事態となったが、トッテナムの最終ラインは堅牢を維持できた。アルゼンチン人指揮官が施した4バックとの併用にサンチェスがスムーズに対応したためで、チャンピオンズ・リーグの大舞台でも大崩れすることなく、ハイパフォーマンスを連発したのだ。アルデルワイレルドはすでに復帰しているが、レギュラーの座はもはや不動である。いまやスパーズの最終ラインは、サンチェスの存在抜きには語れない。
 

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