浦和の監督交代は奏功するのか?広島戦で見えた大槻毅監督の方向性

2018年04月05日 サッカーダイジェスト編集部

初陣ではリーグ戦からスタメン全員を入れ替え

新体制の初陣は0-0の引き分け。まずまずのスタートを切った。(C)J.LEAGUE PHOTOS

 浦和は新体制の初戦を今季初の無失点で終えた。4日のルヴァンカップ・グループステージ3節・広島戦は、大槻毅育成ダイレクターを暫定監督に据えて初の公式戦。そのゲームは、0-0の引き分けに終わった。
 
 時間軸を整理すると、浦和は1日のJ1リーグ5節の磐田戦に1-2で敗れ、5戦未勝利となった。翌2日に堀孝史監督との契約解除が発表され、大槻暫定監督の体制が発足した。
 
 その日は磐田戦で長時間プレーした選手はリカバリーのみとなり、それ以外の選手たちが負荷のあるトレーニング。明けて3日はすでに試合前日で、非公開ではあるものの、疲労を考慮しながらの戦術確認となったとみられる。
 
 試合前日の記者会見で「2日でできることは限られている」と話したように、大槻監督の"色"を表現するにはあまりにも時間がなかった。そのうえに、「あくまでもつなぎ」とあえて口に出したように、自分が暫定という立場であることを強調しているようにも見えた。
 
 そのなかで、大槻監督は磐田戦からスタメン全員を入れ替えるという決断を下す。ユースから昇格した荻原拓也と橋岡大樹、明治大から加入した柴戸海、浦和で公式戦初出場となるGK福島春樹が、ピッチ上で試合開始のホイッスルを聞いた。
 
 疲労を考慮してのターンオーバーでもある一方、「この試合を残っている選手たちが見て何を感じるか。その気持ち、気持ちで片付けてはいけないけど、意欲がリーグにつながってほしい」というチームに対するカンフル剤の両面があったのだろう。
 
 そうした過程で、大槻監督が取り組んだのは、選手個々に自分の言葉を掛けたことだ。前日の時点で荻原が「力を貸してほしいと言われた」というメッセージを受けたと明かし、試合後にも森脇良太が「経験、実績、年齢の部分で、しっかりとしたプレーはもちろん、若い選手を引っ張って落ち着かせるのが役割とハッキリと言われました」と話した。
 
 この広島戦がデビューになった柴戸も「短い時間で合わせるなかで、ハッキリとしたことを言って下さるのはありがたい」と話しており、指揮官がそれぞれの選手への期待や、広島戦で果たすべき役割を伝えていたことが浮かび上がる。

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