[国際親善試合]日本１－１マリ／３月23日／スタッド・モーリス・デュフラン

　昨年の秋頃、三竿健斗はサッカーダイジェスト誌のインタビューでこんなことを言っていた。
 
「同い年で、（井手口）陽介はリオ五輪にも出場しているし、どんどんステップアップしている。自分はようやく鹿島で試合に出られるようになった段階。今は遠い存在ですけど、でもいつか必ず追い越したいです」
 
　昨季、鹿島で２年目の三竿はシーズン途中からボランチのレギュラーの座を掴み、攻守にフル回転の働きを見せていた。周知のとおり、最終節で川崎に首位の座を奪われてリーグ連覇は成し遂げられなかったが、年末のE-１選手権では代表に初選出され、韓国戦で途中出場から代表デビューを飾った。
 
「セカンドボールを拾うこと、テンポ良く球離れ早くプレーすること」という指示を受け、66分に井手口との交代でピッチに送り込まれる。細かなパスミスは散見されたものの、落ち着いた振る舞いを見せていた。
 
　そして今回のベルギー遠征でも、三竿はメンバー入りを果たす。ライバルの井手口は、所属クラブで出場機会を失っていることを理由に選から漏れた。
 

　迎えたマリとの一戦、１点ビハインドの状況で、中島翔哉とともに60分に途中出場する。最終ラインから上手くボールを引き出せず、攻撃を停滞させる時間帯もあったが、最後の最後でアピールに成功する。
 
　左サイドの小林悠が放ったクロスは相手DFに弾かれたが、逆サイドでそのこぼれ球に素早く反応すると、難しい態勢からダイレクトでクロスをゴール前に供給。これを中島がボレーでねじ込み、日本は土壇場で同点に追いつくことができた。
 
　代表合流直前のリーグ４節・鳥栖戦は、１-０で勝利。「良い形で代表に参加できる」と語っていた三竿は、「自分に失うモノはない。ガンガン行って、チームのためになれるようにしたい」と意気込んでいた。
 
　マリ戦では、その言葉通りのパフォーマンスを披露した。井手口の不在を感じさせない活躍ぶりと言ったら言い過ぎか。ただ"遠い存在"の背中は間違いなく近くに見えているはず。進境著しい21歳のボランチのさらなる成長に期待したい。
 
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