【日本代表】「器用貧乏にはなりたくない」。強い決意の酒井高徳が描く理想のSB像は?

2018年03月22日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「ベンチから『日本、頑張れ』と応援する気はさらさらない」

サブに甘んじる気はないと力強く語ってくれた酒井。写真:龍フェルケル

 サブに甘んじるつもりは毛頭ない──。酒井高徳はロシア・ワールドカップに向けて強い決意を固めている。
 
「4年前も(クラブで)試合に出ていたので自信はありましたが、(内田)篤人くん、(長友)佑都くんのクラブでの活躍のほうが目立っていた。だから、控えに回ってもなんら不思議ではなかった。でも今は経験を重ねて、代表でもやれる自信が間違いなくあるし、違った自分を見せられると思う。サブに甘んじているような年齢でもないし、挑戦する気持ちで代表活動に挑みたい」
 
 ただ、ハリルジャパンには右に酒井宏樹、左に長友佑都と不動に近い存在がいる。この現状をどう捉えているのか。
 
「同世代の(酒井)宏樹については、マルセイユでの成長が大きい。互いに切磋琢磨していた頃に比べて、少し差がついたかなと感じたりもします。佑都くんも含めて彼らは強力なライバルではあるけれど、ベンチから『日本、頑張れ』と応援する気はさらさらない。いつ自分にチャンスが来てもいいように、日頃から良い準備をして本番に臨みたいです」
 
 日本代表での酒井高徳は複数のポジションをこなせる利便性が評価されている。しかし、だからといって、本人は満足していない。むしろ、「器用貧乏にはなりたくない」と主張している。
 
「タイプ的にポリバレントな選手は三番手がしっくりくる。実際、僕もサブに甘んじているし、そこから抜け出したい。やはり必要なのは結果。久しぶりに先発したハイチ戦(17年10月10日)でゴールに絡めたのは自信になった。どんな形でもいいからアピールは重要。『結果が欲しい』と言っていた試合での結果だったので、ワールドカップに向けて小さな一歩にはなったと思います」
 
 そんな酒井にとって、理想のSB像とはどんなものなのか?
 
「SBはもはやDFではないんです。なんでもやれないといけない。どんどん攻撃にも関わって、前でしっかり結果を出すこと。この数年はそんな意識で取り組んでいます。例えば1得点・1アシストをしていたら、守備の局面ではある程度いるべきところにいればいいんです。レアル・マドリーのマルセロを見てそう思いました」
 
 追加招集された3月の代表活動で、酒井高徳はレギュラー奪取に向けてアピールできるのか。その覚悟を見届けたい。
 
協力●豊福 晋(スポーツライター)

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