【本田圭佑の主張】あれを「20本、30本やったら他のプレーがボロボロになってしまう可能性がある」

2018年03月22日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「少なくとも監督の理想とするタイプではないのは100パーセント承知している」

マリ戦に向けて練習に励む本田。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 約半年ぶりに代表復帰を果たした本田圭佑。ワールドカップで勝ち進むうえでアタッカーになにより求められているのが得点だが、果たして本田は具体的に攻撃のイメージを描けているのだろうか。
 
 「正直、(代表に)合流して3日目、まったく描こうとしていない。そろそろ描こうとしている段階で、正直、分からないですね。描き始めてみないと。マリとウクライナがどういうふうに来るかというのを踏まえて、これからですよ。でもそこは当然ながら、描かないと。まずは描かないと、本番、確実に点は取れないと思います」
 
 そのゴールを奪うために、ヴァイッド・ハリルホジッチ監督からは裏のスペースを狙う動きを要求されている。しかし、それは本田の持ち味ではない。むしろ苦手分野と言えるだろう。
 
「(走って裏を突くプレーは)もともと得意ではない。でも、監督はチームとしてはできるだけ取り組んでいきたいと。もちろん、意図は分かるし、それが怖さになるというイメージでの飛び出しなんですけど、大事なのは絵の描き方。誰が、どこに、どのタイミングでというものが当然ながら大事になる。
 
 ただ、(選手のキャラクターに関わらず)誰が(ボールを)持ってもということになれば論外ですから、どのタイミングでもというのも論外ですから。自分の強みではないと言いつつも、確かに僕がこれまで点を取ってきた時も意外に裏に抜け出ていたし、結局、1本取ればいいんですよ。大事な場面で。
 
 ということは本数よりも、質は必ず問われるわけなので。特に僕みたいにそういうのを得意としていない選手は、その質がなによりも大事。めちゃめちゃスプリントが得意な選手だったら、20本、30本抜けることは慣れているけど、僕の場合は20本、30本やったら他のプレーがボロボロになってしまう可能性があるので。だから、自分の強みを生かしながら監督が求めるものも出して、結果、点が取れる、その絵を描かないと。それはここで話している以上に何十倍も難しい作業です」
 やはり求められるのは結果だ。監督を納得させるためにはプレースタイル云々ではなく、ゴールに絡めるかがなにより重要になる。
 
「スタイル的にね、少なくとも監督の理想とするタイプではないのは100パーセント承知しているわけで。ここからしっかりワールドカップの切符を手にするのは、結果を出さないといけない、それはチームとしても出さないと。自分がアシストでも、アシストの前のパスでもいい。2試合のどちらかでチャンスをもらえはずなので、なんかしらのインパクトを残さないと厳しい」
 
 残された時間で、本田はどんな絵を描くのか。期待して見守りたい。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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