元ドイツ代表守護神カーンがCL敗退のパリSGへ“金言”「カネでメンタリティーは買えない」

2018年03月07日 サッカーダイジェストWeb編集部

仏地元紙は「未来は暗い」と肩を落とす。

現地メディアで解説者業に励んでいるカーンは、CLの舞台であっさりと姿を消したパリSGに苦言を呈した。 (C) Getty Images

 クラブの悲願である欧州制覇を目指し、昨夏に大枚を叩いたパリ・サンジェルマン。いま、その補強戦略の真価が問われている。
 
 現地3月6日、チャンピオンズリーグ(CL)決勝トーナメント1回戦第2レグが行なわれ、パリSGは本拠地でレアル・マドリーに1-2で敗れ、2戦合計2-5として大会から姿を消した。
 
 CL制覇はパリSGにとっての悲願。昨夏にはバルセロナからネイマール、ユベントスからダニエウ・アウベス、モナコからキリアン・エムバペを買い取り、総額5億2115万ユーロ(約680億円)という空前絶後のビッグプロジェクトを完遂。ナセル・アル・ケライフィ会長は、「6年間とても野心のあるプロジェクトを進め、国内と欧州のフットボール界での地位を築き上げてきた。大きな夢を実現できると確信している」と明言していた。


 
 だが、結果として夢は儚く消え去った。第2レグを前にネイマールが第5中足骨を痛め、長期離脱を余儀なくされ、逆転に向けたチームのモチベーションが低下していたこともあったが、あまりにあっけない幕切れだった。
 
 補強戦略が実らずに欧州の舞台から姿を消したパリSG。その実力を疑問視する声が強まっている。地元紙『Le Parisien』は、「無力なパリSGの未来は暗い」として大型補強が意味をなさなかったことへ痛烈な批判を綴った。
 
「パリはいまや欧州の8強にも入れていない。これはカタール系ファンドの投資が論理的ではなく、歴史的に意味をなさなかったことを証明している。指揮官のウナイ・エメリは代償を払うことになるだろう。彼の下でのパリは進歩がない。昨シーズンのバルサ戦で4-0という好ゲームは演じたが、明日は見えてこなかった。エメリはメガクラブを率いるのに適していない」
 
 仏紙が、そのカネに物を言わせただけの補強を批判したことに同調するかのように、パリSGに物申したのは、元ドイツ代表GKのオリバー・カーンだ。
 
 1994年から2008年にかけてドイツの超名門バイエルンでプレーし、ブンデスリーガ8回、CL1回の優勝に貢献していた往年の名守護神は、ドイツのテレビ局『ZDF』の番組内で、パリSGの敗退を「当然だ」と言い放った。
 
「パリSGのようなトップチームは、カリスマを取り除かれ、リスクを背負っていようとも、最高レベルのプレーを見せなきゃいけないものだが、今日の彼らは何もなかったね。私は彼らが単に恐れながらプレーしているようにしか見えなかった。ワールドクラスの選手を獲得することは出来る。でもメンタリティーはカネでは買えない。それは長年かけて培われるものだ」
 
 勝者のメンタリティーをバイエルンで培ってきたカーンの言う精神的な強さをパリSGは、今後養っていくことができるのか? いずれにしろ欧州制覇を成し遂げるために根本からの見直しが求められそうだ。

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