目下絶好調の韓国代表エース、ソン・フンミンは近づく“兵役義務”を回避できるのか

2018年03月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

今年8月のアジア大会が免除へのラストチャンス

韓国史上最強のアタッカーと謳われる日はそう遠くないだろう。ソンはいまや、強豪スパーズの攻撃に不可欠な中軸だ。(C)Getty Images

 韓国代表エースが止まらない。トッテナム・ホットスパーの韋駄天、ソン・フンミンだ。
 
 現地時間3月3日のプレミアリーグ29節、ハッダースフィールド戦でチームの全得点を叩き出し、2-0の快勝に貢献。ウイークデイのFAカップ5回戦・ロッチデイル戦に続くマルチゴールで、今シーズンの公式戦通算得点数を15に伸ばした。

 
 チームメイトやサポーターから"ソニー"の愛称で慕われるアタッカー。いまやスパーズの前線に欠かせない主軸に成長を遂げ、キャリアの春を謳歌している。クラブとの現行契約は2020年6月までで、ハッダースフィールド戦の前日には、英紙『London Evening Standard』が「トッテナムはきわめて重要な戦力と捉えており、高額のサラリーを含む長期契約を検討中」と報じた。

 
 となると、いよいよ現実的な問題として気になるのが、韓国政府によってソンに課せられる兵役義務だ。
 
 韓国の成人男性は、28歳までに21か月間の兵役義務を全うしなければならない。しかしながら周知の通り、免除される特例がある。スポーツ選手に関しては「オリンピックにおける3位(銅メダル)以上」、あるいは「アジア大会での優勝」が条件だ。

 18歳でドイツに渡って以降、ソンはずっと欧州でプレーしてきた。2014年に母国で開催されたインチョン・アジア大会は、当時の所属先であるレバークーゼンが参加を認めず。2012年のロンドン・オリンピックで韓国は銅メダルに輝き、インチョン大会では金メダルを奪取した。両大会に不参加だったソンは免除の権利を得る好機を逃したのだ。そして満を持して2016年のリオ・オリンピックのピッチに立ったが、躍進は果たせなかった。
 
 1992年7月2日生まれのソンは、現在25歳。このままだと規定により2019年7月には海外生活を終え、帰国しなければならない。その後は軍隊にそのまま入隊するか、軍隊のサッカーチーム(Kリーグ1部の尚州尚武)に所属する必要がある。回避するためのチャンスはあと一度きりだ。今年8月中旬に開幕するインドネシア・ジャカルタでのアジア大会にエントリーし、金メダルを獲得するほかない。アジア大会のサッカー競技はU-23の大会として開催され、各チーム3選手までがオーバーエイジ枠で出場できる。ソンが狙うのは、まさにそこだ。

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