名古屋は外国人頼み? 風間スタイルを具現化するのは2人の日本人MFだ!

2018年03月04日 竹中玲央奈

ボールを受ける時には徹底してゴール方向を向く。

好調・名古屋の中盤を支える長谷川(9番)と和泉(29番)。ともに徹底的にゴールへ向かうプレーが印象的だ。写真:山崎賢人(サッカーダイジェスト写真部)

 J1復帰初年度の名古屋が開幕2連勝を達成した。2試合で挙げた4ゴールはすべて助っ人ブラジル人が挙げたものだ。この結果だけを見れば、ヨーロッパで活躍してきた新守護神のランゲラックも含めて"外国人頼み"だと揶揄されるかもしれない。だが、実情を知れば、そのような声はまったく当てはまらないことが分かるだろう。

 
 開幕から2試合、名古屋の中盤で際立った存在感を放つ日本人選手がいる。明治大から加入して3年目の和泉竜司と、今季より大宮から移籍した長谷川アーリアジャスールのふたりだ。名古屋は4−3−3のシステムを採用するが、小林裕紀をアンカーに配した逆三角形の中盤において、いわゆるインサイドハーフを務めるのが彼らである。
 
 両者は元々、足もとの技術の高さに定評があったが、風間八宏監督の下でその才を磨き、ピッチ上で持てる能力を存分に発揮できるようになった。窮屈な局面でもボールを受けてさばく、そしてゴールへ向かう、という2つのコンセプトを叩き込まれたなかで、前節のG大阪戦に続き、ホーム開幕戦となったこの磐田戦でも幾度も求められたそのプレーを繰り返した。いかなる局面でも臆することなく前に出ていくその姿勢は極めて印象的だ。
 
 ともにボールを受ける時は徹底してゴール方向を向こうとする。和泉は持ち前のドリブルで前に侵入しようとし、長谷川は積極果敢にゴール前の密集地帯に縦パスを打ち込む。もちろん、そのすべてが成功する訳ではないが、成功すればビッグチャンスになる確率は高い。何よりも相手にとってはイヤなプレーであることは間違いない。
 
「大宮でもそういうことをどんどんやりたかったのですが、名古屋に来てそういう意識がもっともっと強くなりましたし、周りの選手含めてそういう縦への意識というのがみんなに出ているなかで、自分の特徴を出せるのかなと」
 長谷川はこう言うが、自身が"やりたかった"プレーを強く推奨されていることが大きいのだろう。
 
「横、後ろというのはできればなくして、前へ行こうと意識し、トレーニングから取り組んでいる」と風間八宏が言うが、この指示が彼の積極性を後押ししたことは違いない。
 

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