【リーガ】レアルvsヘタフェ、バルサvsアトレティコに興味深い共通点――「キラー+お膳立て役」の関係性

2018年03月03日 サッカーダイジェストWeb編集部

今週末に開催されるリーガ注目の2試合を展望。

マドリー戦に挑む柴崎岳。最近は2トップの一角での出場が多いが、高度なパスセンスを誇る彼なら左サイドハーフで起用された場合もしっかり“お膳立て役”をこなせるはずだ。(C)Getty Images

 リーガ・エスパニョーラ27節のレアル・マドリー対ヘタフェ、バルセロナ対アトレティコ・マドリー。この2試合には興味深い共通点がある。それは4チームとも4-4-2を採用する可能性が高いということだ。

 4-4-2システムには、前後のサポート関係が明確でコンパクトに守りやすいという特徴がある。だから、引いてカウンターというプレースタイルを、ヘタフェとアトレティコが採用するのはわかる。では、ポゼッション・フットボールとカウンターを併用するマドリーとバルサまでもがこのシステムを採用するのはなぜか。それには、それぞれ異なる事情がある。

 マドリーの場合は、BBC(ガレス・ベイル、カリム・ベンゼマ、クリスチアーノ・ロナウド)を4-3-3で配置すると守備が脆くなる。3人とも揃って守備が苦手だからだ。とくにヘタフェ戦は、トニ・クロースとルカ・モドリッチの出場が微妙で、もし彼らが不在となると、ポゼッションする力が落ち、危険なボールロストが頻発しかねない。

 BBCが揃い踏みした場合でも、ベイルを一列下げた4-4-2で臨むだろうし、BBCのうち調子の上がらないベイルを温存し(3月6日のパリ・サンジェルマン戦に備えて)、最初からMF4人(カゼミーロ、マテオ・コバチッチ、マルコ・アセンシオ、ルーカス・バスケス)で臨む可能性も十分に考えられる。
 
 バルサの場合は、ネイマールを放出したのが4-3-3から4-4-2へ変化した最大の理由。代役のデンベレも加入してすぐにケガをし、パコ・アルカセルとジェラール・デウロフェウ(すでに移籍)も期待外れで、バルベルデ監督は苦肉の策としてMFを4人にした。

 すると、3つのポジティブな連鎖反応が起きる。(1)ボランチがセルヒオ・ブスケッツとイバン・ラキティッチの2枚になり守備が厚くなる。(2)中盤の重要度が増し、アンドレス・イニエスタが主役となって帰ってくる。(3)左SBのジョルディ・アルバの攻め上がりの回数が増える。これらの理由から、4-4-2がメインシステムとして定着したのだ。

 4チームとも4-4-2システムを採用しているということで、2トップに注目して2試合をプレビューしてみたい。顔ぶれを見ればわかる通り、「キラー+お膳立て役」という構成で、どのコンビも組まれている。

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