【FC東京】なぜ長谷川監督は大森に「やれ、行け」しか言わないのか

2018年02月28日 白鳥和洋(サッカーダイジェスト)

「選手を見る目には自信を持っています」

FC東京を再建できるのか、長谷川監督の手腕に期待がかかる。写真:徳原隆元

 今季からFC東京を率いる長谷川監督のイメージを、G大阪時代の教え子でもある大森は新体制発表会(1月13日)で次のように話していた。

「優しい時ほど怒っているイメージがあります。おそらく監督は僕に戦術のことを話しても無駄やと思っているのか、『行け』か『やれよ』しか言われないです」

 長谷川監督は、本当に戦術のことを話しても無駄と思っているのか。当人にその疑問をぶつけてみると、こんな答が返ってきた。

「(大森)晃太郎は細かい話をせずとも、やってくれる。本人も言いましたよ。『なんで、やれ、しか言わないかといえば、それでやってくれるからだよ』と」
 
 おそらく長谷川監督は大森に全幅の信頼を置いているのだろう。だから、必要最小限の指示しかしないのだ。もっとも、これが長谷川監督の基本スタンスかと言えばそうではない。むしろ、戦術を落とし込む過程では選手によって接し方を変えているという。

「言葉で伝えたほうがいい選手、映像を見せたほうがいい選手、タイプはいろいろです」

 これまで指導者として培ってきた経験があるからだろう。長谷川監督は「選手を見る目には自信を持っている」。

「監督業を生業にしていますから、選手を見る目には自信を持っています。そうでないとこの職業は続かない」

 まさに個性派が揃うFC東京にとって、そんな長谷川監督はJ1制覇の切り札と言えるかもしれない。

取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)
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