川崎を後押しする新たな武器。キーマン谷口彰悟が語る“ホットスポット”とは?

2018年02月27日 本田健介(サッカーダイジェスト)

中村→谷口の“黄金パターン”を披露

磐田との開幕戦でふたりのコンビネーションでゴールを決めて喜ぶ谷口(5番)と中村。谷口は空中戦の強さを見せた。写真:滝川敏之(サッカーダイジェスト写真部)

 まさかの公式戦3連敗スタートとなった川崎は、磐田とのリーグ開幕戦を3-0で制し、今季初勝利を掴んだ。この試合で光ったのが、確立しつつある新たな武器だった。
 
 24分の中村憲剛の先制点後、相手を引き離すために川崎が活用したのがセットプレーだった。昨季よく見られた中村のキックにCB谷口彰悟が合わせる"黄金パターン"を磐田戦でも披露したのだ。
 
 まず43分、右からのCKは一度撥ね返されたが、ボールを拾った中村が再びクロス。これに谷口がヘッドで合わせてネットを揺らした。さらに2分後には中村の右からのFKに今度は谷口の相棒であるCBエドゥアルドがニアで合わせてチーム3点目を奪った。
 
 前半で3点のリードを得たチームは、後半は守備に重きを置きながら磐田の攻撃をシャットアウト。クリーンシートで白星スタートを切った。
 
 谷口は「狙い通り。特にエドゥ(エドゥアルド)の得点はあそこをポイントにしていましたし、スカウティングを含めてしてやったりのゴールでした。セットプレーで2点目、3点目を取れたのはもの凄く大きかったですし、楽になりました。チームとして武器になりつつあります」と振り返る。
 
 谷口は昨季、自己最多の7ゴールを挙げ、今季のリーグ開幕戦でも結果を残した。セットプレーを活かしてこれだけ点を取れるようになったのはなぜなのか。本人は「練習ではそこまで合わないんです」と苦笑いしながら、こう答えてくれた。
 
「説明のしづらい部分で、感覚的なところなんです。ただキッカーのボールの質を掴んだのもひとつですし、ボールが来るなという位置、いわゆるホットスポットと言うか、逃したらいけない位置を分かるようになってきました。そこにしっかり入ればボールが来ます。チームとしてもそのポイントを狙えるようになっていますし、だからこそゴールを取れているんだと思います」
 
 一方、キッカーの中村も「練習ではまったく合わない。でも(谷口)彰悟とは本番で合えば良いんじゃないかという話をしました。練習で入っても試合で入らないと意味がないので」と笑みを見せ、「ただセットプレーで取れるというのはチームとして強みになる」と自信を覗かせた。
 
 川崎のパスワークを寸断しようと守備を固めてくる相手は多いが、その"包囲網"を破る手として飛び道具は有効な武器となるはずだ。
 
 キャプテンの小林悠は「先制点を取れればボールの回し方が変わってきます。こっちが先手を取れば相手は出て来る。最初は無失点で辛抱して、先にスコアを動かす。これが勝利の方程式ではないですが、今後、大事になってくるはずです」と説く。その先制点をセットプレーで奪えれば、楽にゲームを進めることができるだろう。
 
 中村という良質なキッカーを抱え、谷口やエドゥアルドといった空中戦に強い選手も揃える。得意の地上戦ではなく、空中戦で見出した川崎の新たな武器は、次節以降も相手の脅威となるはずだ。
 
取材・文●本田健介(サッカーダイジェスト編集部)

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