【横浜】堅守から『アタッキング』へ――軸となる天野純は“あの時”の借りを返せるか

2018年02月24日 広島由寛(サッカーダイジェストWeb編集部)

新機軸を打ち出すトリコロール。「例年以上にオフェンシブ」(天野)

新監督の下、攻撃的なサッカーに舵を切った横浜。攻守両面で存在感を示す天野にかかる期待は大きい。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

 2月17日のFC東京とのプレシーズンマッチは、0-1で敗れた。結果は出せなかったとはいえ、2枚のインサイドハーフの一角でフル出場した横浜の天野純は、「相手よりポゼッションは絶対に上回っていたはず」とポジティブな感触を掴めば、「キャンプの最初に比べたら、ビルドアップはスムーズになっている」とも振り返った。
 
 FC東京戦の2日前のキックオフカンファレンスに出席していた天野は、「今年の横浜は例年以上にオフェンシブ」と取材に応じていた。その言葉通り、新たに就任したアンジェ・ポステコグルー監督の下、今季のトリコロールは「ハイラインとハイプレッシャー」(天野)を合言葉に、攻撃の強度をより高めたチームに仕上がっている。
 
 オーストラリア人指揮官が掲げるのは『アタッキングフットボール』。堅守を伝統としてきたチームが新機軸を打ち出すなかで、優れた攻撃センスと機動力を装備し、守備も献身的にこなす天野にかかる期待は大きい。
 
 FC東京戦でも2列目から果敢に最前線へと飛び出し、相手のニアゾーンを突くプレーは何度か見られたが、「それは去年もやっていた動き。ベースはできている」と語る。ゴールに直結するようなチャンスメイクが求められているレフティは、「ペナルティエリアの角までは思うようにボールを運べるようになった」と手応えを口にする一方、「あとは最後の精度。いくら崩しても点が取れないと意味がない」と表情を引き締める。
 
 チームが攻撃的なスタイルへのモデルチェンジに踏み切った以上、相手よりどれだけ多くのゴールを奪えるかが重要になってくる。フィニッシュワークの部分で少なくない課題を見出していた天野が、2月25日のC大阪との開幕戦でどんな働きを見せるか楽しみだ。
 

次ページ涙をのんだ元日決戦。今度こそ本領を発揮して――。

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