【柏】「そこは伝えました」江坂任が示した“10番”としての責任感

2018年02月21日 志水麗鑑(サッカーダイジェスト)

あることを伝え、後半はボールを引き出す回数が多くなった。

江坂はトップ下で先発し、先制ゴールの起点になった。写真:山崎 賢人(サッカーダイジェスト写真部)

[ACL2節]柏 1-1 天津権健/2月20日/柏
 
 ACLグループステージ2節、柏は中国の天津権健との一戦で試合終盤に失点し、痛恨のドローで終えた。トップ下で先発した江坂任は、次のように悔しさを露わにしている。
 
「ゴール前でコンビネーションを出せて、良い攻撃ができた。あとは得点を取るだけ。追加点を取ればなんてことないゲーム。自分たち攻撃陣が後ろを苦しめてしまった」
 
 江坂が言う好連係を見せていたのは後半のことで、前半は本人が「固かった」と認めるように細かいミスが散見。なにより、ビルドアップ時にパスを引き出そうとしても、ボールが入らないシーンが目についた。
 
 そのため、ハーフタイムにはあることを要求したと背番号10が明かしている。
 
「後半になって後ろの(ボールの)回し方がスムーズになった。ディフェンスラインに(自分を)『見てくれ』ということも伝えた。それから見てもらえるようになって、(自分が)良いポジショニングもとれたので、(パスがよく)つながったと思う」
 
 ハーフタイムのコミュニケーションが功を奏した後半は、トップ下を経由した攻撃が前半よりも機能していた。すると、52分には左サイドバックの中山雄太からパスを受けた江坂が、右サイドを駆け上がった小池龍太に展開。そこから、クリスティアーノへとつなぎ、先制ゴールが生まれた。
 
 相手のギャップでパスを受けることを意識し、「攻守のつなぎ役にならないといけない」。そうした働きもあって後半は出し手とのタイミングが合うようになり、「得点は良い絡み方ができた」とトップ下のゲームメーカーは自己評価する。
 
"俺がゲームを作る"と言わんばかりの10番に相応しい要求で、ゴールの起点になって見せた。とはいえ、6本のシュートを放ちながらもノーゴール。「決定力」が課題なのは明らかで、「最終的には自分もゴールに絡む」と意欲を覗かせている。
 
 次戦はJ1開幕戦のアウェー仙台戦。江坂のゴールに期待したい。

取材・文●志水麗鑑(サッカーダイジェスト編集部)
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