忘れられない惨敗… 東京五輪世代期待のアタッカーがゴールにこだわった理由

2018年02月18日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

FC東京戦が実戦初得点。指揮官にレギュラー取りを猛烈アピール!

U-21代表生き残りを目指す遠藤にとってクラブでの活躍は重要になる。写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

 東京五輪世代のアタッカーは左サイドで何度も仕掛け、誰よりも輝きを放っていた。
 
 横浜は17日に0-1で敗れたFC東京と2日連続でゲームを行なった。先発メンバーは昨日のゲームから先発メンバーを全員入れ替え、ベンチ外だった扇原貴宏や栗原勇蔵、ウーゴ・オリヴェイラなどが出場。ポステコグルー監督が志向する4-3-3のシステムでリベンジマッチに臨むと、ポゼッションスタイルが機能して4-3で勝利を挙げた。

 前日のゲームとは打って変わり、攻撃陣が躍動した横浜。そのアタックを力強く牽引したプレーヤーがいる。U-21日本代表の遠藤渓太だ。左サイドバックの下平匠とのコンビで違いを作り、中央へのカットインと縦の突破を使い分けるプレーで大きな可能性を示した。そのプレーぶりにポステコグルー監督も、「前半に関してはボールを動かして、左サイドで前に侵入できていた」と満足感を示した。
 
 後半開始早々の49分には左サイドから強烈な一撃を決め、目に見える結果も残すことに成功。その出来に「匠君が中に入って自分が開いて、優位性を持ってドリブルが出来た。匠君は人を使うのが上手いので、僕も生かすことが出来た。(1点目の)PKにつながったシーンも引き付けて出せたからだと思う」と遠藤は手応えを語り、「キャンプから惜しいシーンがあったけど、ゴールを取れていなかった。本当にゴールが嬉しい」という実戦初得点を喜んだ。
 
 では、なぜ遠藤はそこまでゴールが欲しかったのか。理由はU-21日本代表での悔しさにある。今季の遠藤は1月10日から東京五輪世代初の公式戦となる、U-23アジア選手権にU-21代表の一員として参戦。森保一監督からは個の力を買われ、3-4-2-1の左ウイングバックとシャドーの位置を託された。ただ、思うようなプレーは出来ず、チームも準々決勝でふたつ上の世代で構成されたウズベキスタン代表に0-4の大敗を喫した。
 
 約1か月前の敗戦は今も遠藤の脳裏に焼き付いており、「ふたつ上の相手でも簡単に0-4で負けていい試合はない。普通に悔しかったし、自分の力不足だったと思う」と悔しさを語る。

「これから何度か代表遠征があるけど、気づいたら呼ばれなくなるのはよくある話。しっかりと常にチームで試合に出ないといけない」と本人が危機感を語っていたように、クラブで結果を残せなければ代表はない。だからこそ、遠藤はゴールにこだわった。
 
 大会終了後に横浜のキャンプへ合流。新監督の戦術を理解するまでには時間を要し、現在はレギュラーポジションを争う立場にある。「自分のところから仕掛けてゴールが取れたことは次につながると思う」とは遠藤の言葉。FC東京戦で実戦初ゴールを奪った意味は大きい。東京五輪出場を目指すアタッカーにとって、この得点は飛躍のきっかけになるはずだ。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

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