【現役の眼】元日本代表、橋本英郎が教えてくれる「Jクラブ・キャンプの意義とツボ」

2018年02月13日 橋本英郎

完全なオフだった身体をふたたび戦える身体に変えていく

新加入のガーヒ―こと比嘉(左)とクールダウンする橋本。瞬く間に仲良しになったようだ(写真は本人のfacebookより)

 サッカーダイジェストWebをご覧のみなさん、こんにちは。今年1本目のコラムになります。しばらく間が空いてしまいましたが、2018年もいろいろな話題について書いていこうと思っていますので、よろしくお願いします。基本的にサッカーから離れることはありませんが、サッカーに絡んだ内容で感じ、書きたいことがあればチャレンジしていこうと思っています。
 
 今回のお題は、キャンプ!
 
 まだ開幕する前のオフシーズン、プロ野球もキャンプ、キャンプと連日報道されていますが、サッカーでは「合宿」って言っちゃいますね。もしかしたら若手の選手は、キャンプと言っているのかもしれませんが、僕の時にはキャンプと言われながらもすぐに「合宿」と言い換えていました。このキャンプの狙いや目的について、今回は簡単にご紹介していきます。
 

 みなさんがイメージしている内容とほぼかぶるかもしれませんが、もしかしたら僕の挙げる内容でイメージから抜けている項目があるなら、新しい見方ができるかなと思います。書き出した時期にはすでにキャンプインしていて少し遅かったのですが、読んでいただけたら嬉しいです。
 
 今回ご紹介するのは、5つの項目になります。
 
 まず1つ目は「コンディション向上」。これはいわゆる、みなさんが想像するところと同じだと思います。ただ少し要素として異なるかもしれないのは、「去年よりいい状態にする!」というより、まずは一度完全なオフになっていた身体をふたたび戦える身体に変えていく、というアプローチになります。その過程で、今年の開幕、1年間を戦い抜くためのベースを作っていきます。
 
 2つ目は、「戦術の方向性」。これは新監督になったところだとより顕著で、まずはどんなサッカーをするのかを選手、スタッフみんなが理解することを目的としています。みんなが一緒に生活していますので、ミーティングをするなど時間配分の取り方も簡単ですし、選手同士でも、監督の意図する内容を朝昼晩と食事の時やそれぞれの部屋などで話す機会が多く取れます。新体制でなくとも新加入選手がいますし、去年に上手くいった点、いかなかった点を洗い出して、戦術の上積みが加えられていきます。

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