【指揮官コラム】鹿児島ユナイテッドFC監督 三浦泰年の『情熱地泰』|スタジアムは人を育てるもの

2018年02月12日 サッカーダイジェストWeb編集部

鹿児島にも「スタジアム問題」が浮上しているが…。

昨年のJ3開幕戦は、多くのサポーターが詰めかけたなかで快勝した鹿児島。キャンプも残りわずか。チームも開幕戦へ照準を合わせていく。(C) SOCCER DIGEST

 今年、初のコラムになる。
 
 シーズンオフの煩雑な時期に重なり、新年の挨拶もできずコラム連載が遅くなってしまい申し訳ない……。遅れましたが「新年明けましておめでとうございます」。今さらではあるが、2018年も元旦はカズたち家族とともに静岡の実家で過ごし、2日は城内FCの"初蹴り"。今年もたくさんのOB、マスコミ、メディアが集まってくれ、いつも通りに新年がスタートした。
 
 1月13日に鹿児島に入りスタートの準備。17日から練習がスタート。29日にキャンプが始まり、今年も鹿児島ユナイテッドFCのために努力、精進していく。
 
 そしてキャンプも終盤、「日本が誇るキャンプ地、鹿児島」も今年は異常に寒い。寒波の影響で選手はもちろんスタッフにとっても体調を整えるのに大変なシーズンになっている。 2月14日までとなるキャンプも残りわずかだが、しっかり進めていきたいと思う。
 
 世間に目を移せば、平昌オリンピックが開幕。これから十数日間、話題はオリンピック中心になるであろう。
 
 そんな多くの話題が流れるなかで、今日はスタジアムについて話をしたいと思う。
 
 鹿児島も"スタジアム問題"が街のテーマとして上がっている。「問題」と定義するのは少しおかしいのではあるが、鹿児島スポーツの発展、もちろんサッカー発展のために「誰が、どこへ、いつ、どのように」という内容が議論されている。
 
「誰が」とは市なのか県なのか…? 「どこへ」は市の土地へなのか? 県な土地へなのか? 都会へなのか? 田舎へなのか?
 
 時期は「いつ」までに? そして肝心のスタジアムの構造は「どのように」作られるのか? 球技場なのか? 競技場なのか? と、スタジアムを作るにあたっていろんな角度でいろんな人たちが議論していく。 もちろん簡単なことではなく、鹿児島にとって大きな「目標」なのである。
 
 先日、2020年に向けて新しく改装される「新国立競技場」がオリンピック後に球技場専用スタジアムになると発表された。その決定に対して、即座に陸上関係者の方が陸上界にとって憂慮すべき事態であると、危機感をテレビで訴えていた。
 
 もちろん陸上関係の方はそうであろう。陸上競技場が球技場になるのだから……。
 
 僕は生まれた時からサッカーと生きてきた。僕にもスタジアム愛がある。
 
 スタジアム問題でよく論点とされる要素として「器の稼働」の仕方がある。スタジアムを建設し、オリンピックが終わった後は? ワールドカップが終わった後は? と、大会後の活用法や稼働率を考え、コンサートなどで使えるように"多目的使用"できるようにとなる。
 
 この考え方は、スポーツに関わらない人々も含め、県民、市民全体を考えたら常識的なのかもしれない。
 
 ただし、スタジアムに宿る「情熱、魂、愛」であったりというものも簡単に見過ごすことはできない。スタジアムの中に渦巻く熱狂が、街をひとつにし、人を成長させ、活性していく。これができるのがスポーツの力で、僕にとっては「サッカー」なのである。
 

次ページ新スタジアムは鹿児島サッカーの聖地となる存在に。

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