今シーズンのプレミアリーグで一躍ブレイクを果たした韋駄天だ。昨年夏にローマからリバプールへ移籍してきたエジプト代表FW、モハメド・サラーである。これまでプレミアリーグ25試合に出場して、得点ランク２位の21ゴールを奪取。ユルゲン・クロップが指揮するリバプールの攻撃陣を力強い存在として君臨している。
 
　覚醒したスピード自慢のウインガーに対して、賛辞の声が後を絶たない。1990年代にリバプールで活躍した元イングランド代表MFのスティーブ・マクマナマナンは、「モハメドはロビー・ファウラーやマイケル・オーウェンと同じゴールセンスを持っている、言わば天才だよ」と評価。さらにはアフリカ・サッカー界のレジェンドたちからも、絶賛されているのだ。
 
　かつてバルセロナで活躍し、現在はトルコのコンヤスポルでプレーする元カメルーン代表FW、サミュエル・エトーは「世界最高の点取り屋だ」と褒めちぎる。
 
「おそらくサラーは、メッシやC・ロナウドにも比肩する世界最高の選手だ。彼のリバプールでのパフォーマンスは目を見張るものがあるし、その評価に十分値する。自分と同じアフリカ人選手がトップリーグで活躍しているんだ。嬉しくないわけがない」
 
　さらにはあのディディエ・ドログバからも賛辞が届いた。サラーが2014年１月から約２年に渡って在籍した当時、チェルシーで唯一無二の存在だった元コートジボワール代表FWは、サラーの成長ぶりに目を細める。
 
「彼はチェルシーにいた時も素晴らしい才能を発揮してて、僕らはそれを知っていた。ただ、モウリーニョ（監督）の信念にマッチしなかったんだ。でもサラーは挫けなかったね。イタリアのビッグクラブで学び、イングランドで再び輝きを放っている。本当に見事だよ。彼は物静かだけど、真面目で尊敬を集められる選手だと思うから、リバプールのリーダーになれるはずだ」
 
　ともにプレミアリーグで活躍したレジェンドたちから、これ以上ない賛辞を贈られたサラー。はたしてこの勢いはどこまで続くのだろうか。チャンピオンズ・リーグの出場権を懸けたバトルが熾烈を極めるシーズン後半戦、そのパフォーマンスに注目が集まる。