ルヴァン杯、天皇杯、ゼロックス杯も制覇。ユン・ジョンファン監督の指導力の根底にあるもの

2018年02月10日 サッカーダイジェスト編集部

「我々は去年と違う姿を見せることができた」

昨季のルヴァンカップ、元日の天皇杯に続き、ゼロックス杯も制したユン・ジョンファン監督。評価はうなぎ登りだ。写真:徳原隆元

【ゼロックス杯】川崎2-3C大阪/2月10日/埼玉
 
 2018年2月10日に行なわれたゼロックス・スーパーカップは、C大阪が川崎を3-2で下すという結果に終わった。今季初タイトルを手にしたC大阪のユン・ジョンファン監督は「今季の出発点としては悪くない」と手応えを掴んだ様子だった。
 
 収穫のひとつは、指揮官曰く「昨年やってきたことを試合で示して勝利できたところ」。確かにハードワークをベースとしたサッカーで川崎の動きを封じ、試合を優位に運んだ点は評価に値した。
 
 二つ目の収穫は「交代で出た選手がチームに馴染んでいた」点だ。78分にGKとの1対1を制してチームの3点目を決めた高木俊幸に代表されるように、新戦力が結果を残したのは大きい。指揮官も「誰が入って、誰が抜けても、やっていける自信がついた」と語っている。
 
 今季のC大阪はカウンター主体というより、速攻と遅攻を使い分けるフレキシブルなチームになることを目標のひとつにしている。その点で、ユン・ジョンファン監督はある程度の満足感を得ていた。
 
「フロンターレさんはコンディションが万全ではなかった。逆に我々は去年と違う姿を見せることができた。相手からすれば、今日のセレッソはやりにくかったはず。去年の土台を継続しつつ、今年は質を高めていこうと話している。今日の試合に限れば、それはよくできていた。もちろん、成長しなければいけない部分はまだあるが」
 
 リーグ戦とACLを並行して戦う今季、成功の鍵を握っているのは間違いなくユン・ジョンファン監督だろう。昨季のルヴァンカップ、元日の天皇杯、そしてゼロックス・スーパーカップとタイトルの懸かった試合でいずれもチームとして機能させている点は見逃せない。この指揮官はどんな手法で個性派集団を束ねているのか。
 
「選手全員の心を読み取ることはできない。経験から得たもので(チームマネジメントを)やっています。私もチームのために全力を尽くさないといけないし、選手たちも同じ考えだと思います。だから、チームもここまでは上手くきている。こういう状態が10年間続けばいいですけどね(笑)」
 
 ユーモラスを交えてそう答えたユン・ジョンファン監督は「今までいろんな指導者と出会うことができて、自分自身も良いところと悪いところを学んできた。そうした経験を選手たちに上手く伝達できていると思います」ともコメント。その指導力の背景に"経験"があることを強調していた。
 
 人心掌握に長けたユン・ジョンファン監督の下で、C大阪はさらなる進化を遂げることができるのか。選手たちが自信を掴む意味で、2月14日のACL・済州戦を制して波に乗りたい。
 
取材・文●白鳥和洋(サッカーダイジェスト編集部)

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