【セルジオ越後の天国と地獄】ACLで簡単に負けるのは、誰も責任を問わないから

2014年05月22日 週刊サッカーダイジェスト編集部

あっさり負けたACL。どこまで真剣だったの?

確かに広州恒大は抜け出た存在だが、韓国やオーストラリアのクラブに敗れるのは、戦力差が原因ではない(C) SOCCER DIGEST

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※週刊サッカーダイジェスト6.3号(5月20日発売号)より
 
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 5月13、14日にアジア・チャンピオンズリーグ(ACL)のラウンド16の第2戦が行なわれたけど、Jリーグ勢にとっては非常に残念な結果になった。
 
 第1戦で広州恒大に1-5で敗れていたセレッソは1-0で勝ったけど、2試合合計2-5で敗退が決定。同じくFCソウルとの初戦を2-3で落としたフロンターレも、第2戦に2-1で勝ったもののアウェーゴールの差で敗れた。
 
 さらに残念だったのは、第1戦でウェスタン・シドニー・ワンダラーズを3-1で下したJ1王者のサンフレッチェだ。アウェーでの第2戦に0-2で敗れ、これまたアウェーゴールルールのために敗退した。リーグ2連覇に加え、アジア王者にも輝けば、専用スタジアム建設の機運も高まっていたかもしれない。それだけに、サンフレッチェの敗戦は悔やまれた。
 
 グループステージで敗退したマリノスも含め、まだベスト16に過ぎないのに、Jリーグ勢が全滅した。これは本当に由々しき事態だ。
 
 昨年はレイソルが奮闘してベスト4に進出したものの、Jリーグ勢は全般的にACLで毎年のように苦戦している。昨季はレイソルを、今季はセレッソを下した広州恒大は、不動産会社をバックに、莫大な資金を強化に充てているクラブだ。今年2月にはイタリア代表のMFディアマンティも獲得している。
 
 Jクラブとは強化資金に雲泥の差があり、たしかに彼らに勝つのは簡単なことではない。でも、フロンターレが敗れたFCソウルや、サンフレッチェが敗れたウェスタン・シドニー・ワンダラーズは決して資金や戦力に大きな差がある相手だったわけではない。
 
 昨シーズンのレイソルはACL対策をずいぶんしていたと聞いたけど、今回出場した4チームは、果たしてどこまで真剣に対策をして臨んでいたのだろう。

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