王座奪還を目指す青森山田が始動!! 東北新人戦を制覇したタレント集団の現在地は?

2018年01月29日 平野貴也

昨季燻っていた2年生が躍動。定位置獲得に向けて結果を残す!

今季もタレントを揃え、青森山田は全国屈指の実力を持つ。目指すは2年ぶりの日本一だ!。写真:平野貴也

 王座奪還を目指す東北の雄、青森山田が好スタートを切った。

 第17回東北高等学校新人サッカー選手権大会が27日と28日に行なわれ、青森山田(青森)が1-0で尚志(福島)を破って3年ぶり5度目の優勝を飾った。同大会は、現1、2年生が参加対象。3年生が引退し、新1年生が入学する4月までの間にチームを強化する上で"新人戦"は欠かせない大会のひとつだ。

 東北6県(青森、岩手、秋田、宮城、山形、福島)の各予選上位1位に開催地枠1チーム(今季、男子は宮城県)、各年で持ち回りとなる1枠(今季、男子は青森県)を加えた8チームが参加。県の代表として臨んだ青森山田は、初戦で秋田県代表の新屋を2-0で破り、準決勝は開催地枠で出場した仙台城南(宮城)に延長戦に持ち込まれながらも1-0で辛勝。決勝も苦戦したが、退場で数的不利になっても力を落とさず3連覇を目指した尚志に1-0で競り勝って意地を見せた。

 今大会の青森山田は唯一、昨季からレギュラーに定着していたMF檀崎竜孔(2年)が10番を背負って主将を務め、左利きの技巧派アタッカーであるバスケス・バイロン(2年)とともに攻撃をけん引。守備陣では、注目GK飯田雅浩(2年)が好守を見せて今大会を無失点で終えた。
 
 とはいえ、全4得点のうち3点は、PKによるもの。流れの中で崩しきることは、なかなかできなかった。近年、高円宮杯プレミアリーグや選手権などで上位に入っている青森山田のネームバリューを考えると、大苦戦のように映るが、黒田剛監督が「まだ(地元が降雪のため)ボールを使った練習もしていない。勝負にはならないと思って臨んでいる」と説明する状況で、元々この時期は苦戦必至。昨季からのレギュラーが少なく、連係も皆無に等しい。だからこそ、指揮官は「試合に出ていた選手が少なく、経験値が少ない。イチからスタートで相当きついのかなと思っていた世代だけど、飯田、二階堂(正哉/2年)、檀崎、バイロンあたりがすごく声を出していて、雪の中の練習でも気持ちがよく出ている。思っているより成長するのかもしれない」と話し、意地を見せている新チームに評価を与えた。
 
 その背景にあるのは、期待を受けながらも先輩たちから定位置を奪い切れずにくすぶり続けた選手たちの強い意気込みだ。なかでも「昨年は、壁にぶち当たって(存在が)消えてしまっていて、悔しい思いをした。人間的に考えの甘いところが多かった。今年は覚悟を決めて(運動負荷の大きい)雪中サッカーでも誰より大きな声を出して、走りも筋トレも誰よりもやっている。今年は、高校最後。思いを爆発させたい」と話した日本育ちのチリ人、バスケス・バイロンのプレーには迫力があった。

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