【東京V】気になる”Wアンザイ”の後釜は? 今季初実戦で可能性を示した新戦力

2018年01月28日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

桐蔭横浜大戦では4-3-3を採用。注目のSBには4名が起用された。

今季初実戦を勝利で飾った東京V。両サイドバックのポジションを掴むのは果たして誰か? 写真:松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)

 アンヘル・ロティ―ナ体制2季目を迎えた東京ヴェルディは悲願のJ1復帰に向け、着々と準備を進めている。
 
 昨季の東京Vは5位でリーグ戦をフィニッシュし、J1昇格プレーオフへと駒を進めた。昇格枠の最後のイスを争うサバイバルトーナメントは1回戦で福岡に敗れたが、4-3-3と3-4-3を併用する柔軟性とスペイン人指揮官が落とし込んだ洗練された戦術は、大きな可能性を感じさせた。となると、2年目となる今季の目標は当然、11年ぶりのトップリーグ復帰だ。
 
 冬のマーケットでは堅実な補強を行ない、最前線に昨季J2で14得点の林陵平を水戸から獲得。サイドアタッカーにはルーキーイヤーながら群馬で昨季10得点を挙げた高井和馬、中盤には運動量と技術がウリの佐藤優平を山形から迎え入れた。そして、守備陣もテコ入れ。ボランチとCBに対応できる北朝鮮代表の李栄直(←讃岐)、若狭大志(←千葉)を呼び寄せ、サイドバックとウイングバックにはU-23日本代表歴のある比嘉祐介(←千葉)、豊富な運動量が魅力の奈良輪雄太(←湘南)が加わった。
 
 とはいえ、懸案事項もある。移籍した"Wアンザイ"の穴をいかに埋められるかという点だ。「幸輝と和樹の移籍は痛い」と指揮官がその流出を嘆いたように、昨季、ウイングバックとサイドバックで圧倒的な存在感を見せた安西幸輝と安在和樹が、それぞれ鹿島と鳥栖に移籍。前者は抜群の走力を生かした攻め上がりと無尽蔵のスタミナで攻撃を支え、その実力を買われてウイングでプレーすることもあった。一方の後者は、正確かつパンチの利いた左足で多くのチャンスを創出。セットプレーのキッカーとしても不可欠な人材だった。

 その2枚が欠けたポジションに誰を当てはめるか――。3-4-3でチーム作りを始めた昨季とは異なり、今季は4-3-3でスタート。安西が担うこともあったウイングには昨季17得点のアラン・ピニェイロや新顔の高井などで十分に穴は埋められるだけに、ふたりが務めていたサイドバックに誰をチョイスするのかは大きな注目点だった。
 
 その中で27日に行なった新シーズン初のトレーニングマッチ。桐蔭横浜大を3-0で下した一戦で、ロティ―ナ監督は両翼に4名の選手を起用した。先発は左SBに新戦力・比嘉、右SBには守備力が持ち味で昨季もこの位置を務めた田村直也。32分からは右に奈良輪を投入し、後半頭からは左にプロ3年目のレフティ・林昇吾を送り込んだ。そして、昨季も右利き・安西と左利き・安在のポジションを入れ替える手をよく見せていたように、60分過ぎからはその流れを踏襲して林と奈良輪の位置を配置転換。4選手の特徴を踏まえながら、様々な可能性を探った。

【PHOTO】2018Jクラブ・新卒入団&昇格内定~高校・ユース編

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