【栃木|新体制】大黒将志らを加えた充実の陣容!3年ぶりのJ2で目指すは「中位の11位」

2018年01月15日 鈴木康浩

「J3にいた2年間」を糧に前へ!スローガンは『KEEP MOVING FORWARD』

新体制会見に出席した新加入選手たち。併せて新ユニホームも発表された。写真:鈴木康浩

 1月14日、栃木が新シーズンに向けて新体制会見を行なった。
 
 今季、3年ぶりにJ2に復帰する栃木は、昨季J3を戦ってJ2昇格を掴みとったメンバーのほとんどが契約を更新。そこに京都から大黒将志、横浜FCから寺田紳一、岐阜からヘニキといったJ1やJ2で豊富な経験がある選手を次々と獲得。総勢36名体制となったが、そのうち若手6選手が加入後すぐに育成型期限付き移籍となり、外の環境へ"修行"に出ることが決まっている。
 
 新里裕之強化部長は「我々はJ3をチーム一丸となって戦ってきたが、そのメンタリティは他のクラブよりも強い」としたうえで「そこに加入する新たな選手たちが持つJ2での豊富な経験値を融合させることが大事」と今オフの補強の狙いを語った。
 
 今季で指揮3年目となる横山雄次監督は「我々の強みは継続性にある」と強調。「すでに10日から自主トレのためにグラウンドを開放しているが、既存のメンバーたちは僕が何も言わなくてもやるべきことがわかっている。新加入のベテランの選手たちも多くを話さずとも理解できる経験豊富な選手ばかり。チーム始動からすぐに実践的なトレーニングに移行できるのでは」と話し、新チームの顔ぶれに自信を覗かせた。
 
 この日の新体制会見には大黒将志や寺田紳一といったベテラン勢は諸事情により欠席したが、来季のレギュラー候補となる若き新戦力たちが活きの良さを見せた。昨季までJ3の藤枝で2シーズンをほぼフル稼働した右サイドのレギュラー候補の久富良輔は「昨季栃木と対戦したとき、勝負に非常にこだわる厳しい集団だと感じた。自分も厳しい環境に身を置いて成長したかった」と移籍の理由を口にすれば、左サイドバックを主戦場とする温井駿斗は「自分はC大阪U23で2年間プレーしたが、自分の左足がJ3で通用することはわかった。J2でどれだけ通用するのか楽しみ」と新シーズンへの意気込みを語った。
 
 新里裕之強化部長は「このメンバーで狙うのはJ2の中位の11位。栃木SCがJ3に2年間いたことでJ2の舞台は変わってきている。とにかく堅く戦い、常に真ん中のポジションをとっていきたい」とした。
 
 新体制会見の冒頭ではクラブの橋本大輔社長が挨拶し、「新たなクラブ哲学として浸透させたい」とする言葉を発表。「私たちはJ3にいる2年間でクラブの在り方を見つめ直す機会をいただいた。そのなかでクラブに関わる全員が共有する考え方を持つ重要性に気づかされた」。その共有しようとする考え方が『KEEP MOVING FORWARD』。栃木がJ3に降格し、さらに一度はJ2昇格を失敗しながらも這い上がった貴重な経験から来る言葉だ。どんなときも前へ進み続け、クラブの成長を止めない――そんな思いが込められている。
 
 栃木が挑む3年ぶりのJ2は、厳しい戦いが待ち受けている。しかし、栃木はどんな困難が立ちはだかろうと歩みを止めない。
 
取材・文●鈴木康浩(フリーライター)

次ページ2018年のメンバーリスト

みんなにシェアする
Twitterで更新情報配信中

関連記事