井手口の加入が決まったリーズってどんなクラブ? ライバルは19歳の俊英!?

2018年01月05日 サッカーダイジェストWeb編集部

黄金期から停滞期を迎えて現在は…?

下部組織時代からプレーしてきたG大阪を離れ、欧州挑戦を決意した井手口。 (C) SOCCER DIGEST

 1月4日、ガンバ大阪が、日本代表MF井手口陽介のリーズ・ユナイテッド移籍、ならびにスペイン2部のクルトゥラル・レオネサへのレンタル移籍を発表した。
 
「できるだけ早く行きたい」と海外移籍への想いを募らせていた井手口だけに、新天地での活躍は大いに期待されるところだ。そんな"浪速の銀狼"が、半年後に正式に加わることになるリーズとは一体、どんなクラブなのか。
 
 リーズの歴史は古く、誕生は1904年にまで遡る。当初、「リーズ・シティ」としてイングランド北部のヨークシャーで産声を上げたクラブは、第一次世界大戦中の1919年に選手たちへの違法な給与支払いが発覚し、強制解散を余儀なくされたが、その後、クラブを引き継ぐ形で現在の「リーズ・ユナイテッド」が発足した。
 
 そんなリーズは、今でこそ2部の中位に甘んじるクラブだが、これまでに3度の1部リーグ制覇の実績を持ち、黄金期を謳歌してきた古豪でもある。
 
 最初の黄金期は、1960年代から70年代にかけて訪れた。名将ドン・レヴィーの指揮下で、ビリー・ブレムナーやノーマン・ハンターなど、のちにクラブのレジェンドとなる選手たちが躍動し、2度の国内リーグ制覇(68-69、73-74)、さらにはFAカップ優勝(71-72)、リーグカップ優勝(78-79)と英国内のタイトルを総なめにした。
 
 その後、80年代は停滞期を迎えるも、90年代には再び勢いを盛り返す。ゴードン・ストラカンやエリック・カントナなど魅力的な攻撃陣がリーグを席巻し、現行のプレミアリーグの前身であるファーストディビジョンの最後の王者となった。
 
 そんな北の雄は、1990年代後半から2000年初頭にかけても隆盛を誇った。ハリー・キューウェルやリオ・ファーディナンドなど当時の俊英たちを揃えた「ヤング・リーズ」は、プレミアリーグでも優勝争いを演じ、2000-01シーズンのチャンピオンズ・リーグでベスト4に進出するなど大躍進を遂げた。
 
 しかし、栄光は長くは続かない。大型補強のツケが回り財政難に陥ったリーズは、主力選手の売却を余儀なくされ、2002-03シーズンに15位、03-04シーズンに19位と低迷し、ついに2部に降格。さらに06-07シーズンには2部でも最下位となり、3部への転落を余儀なくされた。
 
 その後もクラブは財政的な問題を抱え続け、2014年にはクラブを買収したイタリア人実業家のマッシモ・チェリーノがオーナーとなるも、前オーナーグループの役員報酬の未払いなど、金銭問題が明るみになり、一時は選手への給料の支払いが遅れるほど困窮した。
 
 そして現在、2部に属しているリーズは、アンドレア・ラドリツァーニ会長の下で再起を図っている。
 
 2017年1月にチェリーノから株式を買い取り、単独オーナーとなったラドリツァーニは、元日本代表MFの藤田俊哉を今シーズンからアジア地域のヘッド・オブ・フットボール・デヴェロップメントという役職につけ、世界的な視野でクラブに変革をもたらそうとしている。井手口は、その強化路線の一端を担う形での加入といえるだろう。

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