【選手権】小野伸二らを育てた清水桜が丘・大滝雅良監督が“選手権”に感謝

2017年12月31日 松尾祐希(サッカーダイジェストWEB)

「選手権でやらせてもらえるのはありがたいこと」(大滝雅良監督)

名将・大滝雅良監督にとっても、やはり選手権は特別な場所だった。写真:茂木あきら(サッカーダイジェスト写真部)

[高校サッカー選手権1回戦]清水桜が丘 1(3PK5)1 高川学園 /12月31日/フクアリ
 
 6年ぶりに挑んだ名将・大滝雅良監督の選手権は1試合で幕を閉じた。
 
 12月31日に行なわれた高校サッカー選手権の1回戦。初出場の清水桜が丘は高川学園と戦った。後半35分に先制を許すも、残り2分のところで松下祐也(3年)が値千金の同点弾。驚異的な粘りでPK戦に持ち込んだが、最後は4人目を務めたエースの白井海斗(3年)が外し、戦いは終わりを告げた。
 
 清水桜が丘は藤田俊哉、川口能活、小野伸二などを輩出した清水商と庵原が統合され、2013年に誕生した高校だ。新設校とは言え、"清商"の流れを組んでおり、監督を務めるのもその名門校を12度の日本一に導いた大滝監督である。
 
 2011年に清水商で出場して以来となった檜舞台に挑んだ指揮官は、「前後半を通じてなかなか思うように行きませんでした。向こうは思い切って前の10番の子に合わせてきたが、そこを封じることができなかった。こちらの出足が遅くて、終始そのこぼれ球も拾えなかった」と、相手の術中にはまったことを素直に認め、敗戦を悔やんだ。

 また、久々の選手権ということで難しさもあったようで、「(大会が始まって)よーいどんで出るわけなので、うちとしては出る時になかなか前に出られず滑って芝生に取られてしまったという雰囲気ですかね」と本音を漏らした。
 
 ただ、選手権は66歳の熟練指揮官にとって、何度戦っても特別なもの。「選手権は良いもんですね。晴れ舞台ですから。われわれがずっとやってきたものの試験を受けるようなもの。良いものです。我々大人もそうだし、生徒たちにとっても晴れ舞台。こういうところでやらせてもらえるのはありがたいこと」と語り、大舞台に出場できたことに改めて感謝の意を示した。
 
「積み上げていくことなので、これも大きなひとつの糧にして前を見てやっていくしかない。よくここまで来られたなという感想が全て。もう1回、毎年のように一から一からやらないといけない。一がなければ二はないわけなので、しっかりとトレーニングしたいと思う」(大滝監督)
 
 清水商の伝統を受け継ぐ清水桜が丘で日本一を取るべく、大滝監督は選手権に再び戻ってくることを誓ったが、その言葉は充実感に溢れていた。
 
取材・文●松尾祐希(サッカーダイジェストWeb編集部)
 
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